脂肪豊胸の“現実的なサイズアップ”とリスクを正しく理解する2026.02.16
脂肪豊胸は、「自然にバレずにボリュームアップできる」という大きな魅力を持つ施術です。
しかし、その効果やリスクについては、冷静で医学的な視点が必要です。
■ 1回あたりの平均的なサイズアップは約1.5カップ
脂肪豊胸1回で得られるサイズアップは、平均して約1〜1.5カップ程度が現実的なラインです。
もちろん体格や皮膚の伸展性、移植量、術後管理などにより個人差はありますが、
「1回で2〜3カップ確実にアップ」「ほぼ全量定着」といった表現は、医学的には慎重に捉えるべきです。
■ “定着率80%”は本当に可能か?
近年、
- コンデンスリッチ
- エクソソーム添加
- 幹細胞添加(※現時点では十分な長期エビデンスは限定的)
- ○○再生豊胸
など、さまざまな名称が登場しています。
しかし、どのようなネーミングを用いたとしても、
脂肪移植の生着メカニズム自体が劇的に変わるわけではありません。
脂肪は血流を獲得できた細胞のみが生着します。
過度な量を一度に注入すれば、中心部は壊死しやすくなります。
そのため、安定して80%以上の定着率を保証することは現実的ではありません。
医学は“名称”ではなく、“血流と生理学”に従います。
■ シリコンバッグ豊胸とのリスク比較
脂肪豊胸は自然な仕上がりが最大のメリットです。
しかし、リスク構造はシリコンバッグ豊胸とは異なります。
シリコンバッグ豊胸では
・被膜拘縮
・感染
・バッグ破損
などが主なリスクです。
一方、脂肪豊胸では
・脂肪壊死
・しこり形成
・石灰化
・感染
といったリスクがあり、しこりの発生頻度は脂肪豊胸の方が高い傾向にあります。
「自然=ノーリスク」ではありません。

■ 大切なのは“メリットとデメリットの両立理解”
脂肪豊胸は、
✔︎ 触感が自然
✔︎ 異物を入れない
✔︎ ボディラインも同時に整えられる
という明確な利点があります。
その一方で、
✔︎ サイズアップは限定的
✔︎ 定着率には限界がある
✔︎ しこりリスクが存在する
という現実もあります。
美容医療において重要なのは、「理想だけを見ること」ではなく、
メリットとデメリットを正しく理解した上で選択することです。
自然さを取るのか。
確実なボリュームを取るのか。
あるいは両者を組み合わせるのか。
患者様一人ひとりの体型、希望、ライフプランに合わせて、
最適な術式を選択することが最も重要です。
美容医療は魔法ではありません。
しかし、正しく理解し、適切に選択すれば、
確実に人生の満足度を高める医療です。
