脂肪吸引後にニキビ・肌荒れが起こる医学的な理由2025.11.29
— 一時的な反応であることがほとんどです —
脂肪吸引のデメリットのひとつとして、術後にニキビ・毛嚢炎・乾燥などの「肌荒れ」が出ることがあります。
特に、顔・二の腕・背中といった皮脂分泌や毛包が多い部位で、稀に認められます。
これは失敗や異常ではなく、皮膚と皮下組織の構造に基づく医学的な反応であることがほとんどです。
① 毛包幹細胞は「脂肪層の浅層」にも存在する
毛の毛母細胞や毛包幹細胞は、真皮だけでなく皮下脂肪の浅層(Superficial fat layer)にも一部存在しています。
脂肪吸引ではこの層をカニューレで操作するため、
- 毛包が物理的刺激を受ける
- 微細な炎症反応が起こる
という現象が生じます。
この炎症が、
- ニキビ
- 毛嚢炎
- 皮脂分泌の乱れ
として一時的に表面化します。

② 炎症と血流変化による「皮脂分泌の乱れ」
脂肪吸引後は、皮下の血流・リンパ循環が一時的に変化します。
これにより、
- 皮脂分泌が過剰になる
- 角質代謝が乱れる
- アクネ菌が増殖しやすくなる
といった環境が生まれ、術後ニキビや肌荒れが起きやすくなるのです。
③ 脱毛後なのに毛が生える・濃く見える理由
- 休止期にあった毛包が、炎症刺激により成長期に移行
- 一時的な血流増加によって毛が太く見える
といった理由で、
「脱毛したのに毛が生えた・濃くなった」
と感じることがありますが、これも一時的な反応であることがほとんどです。
④ ほとんどは拘縮の改善とともに自然に治る
脂肪吸引後の肌荒れは、
- 拘縮(術後の硬さ)
- 皮下の炎症反応
が改善するにつれて、3〜6ヶ月程度で自然に落ち着くケースが大半です。
永続的な皮膚トラブルになることは非常に稀です。
⑤ 医学的に有効な対処法:べピオゲルなどの外用治療
炎症性ニキビや毛嚢炎が出た場合、
- 抗菌作用
- 角質正常化作用
を持つ**ベンゾイル過酸化物製剤(べピオゲル)**が非常に有効です。
当院では、術後に肌荒れが出た方には、べピオゲルを使用した医学的スキンケアを推奨しています。

まとめ
脂肪吸引後のニキビ・肌荒れは、
- 毛包への物理刺激
- 炎症反応
- 血流・皮脂分泌の一時的な変化
によって起こる医学的に説明可能な一過性の反応です。
ほとんどの場合は3〜6ヶ月で自然に改善し、適切な外用治療でさらに早期改善が可能です。
術後の肌トラブルが不安な方も、正しい医学的アフターケアを行えば、過度に心配する必要はありません。

