豊胸手術で気胸は起こる? 美容外科医が考えるリスクと安全対策について2026.07.29
「豊胸手術で気胸になることはありますか?」
患者様から時々いただくご質問です。
結論からお伝えすると、気胸は豊胸手術で起こり得る合併症の一つです。
頻度は高くありませんが、医療行為である以上、リスクをゼロにすることはできません。
AVAN TOKYOでは、リスクを過小評価することなく正しくご説明し、万が一起こった場合にも迅速に対応できる体制を整えることが、安全な美容医療には欠かせないと考えています。
美容医療にリスクがない治療はありません
「豊胸だから危険」というわけではありません。

美容医療には、比較的侵襲の少ない施術にもそれぞれリスクがあります。
例えば、
・ヒアルロン酸注入では血管塞栓や感染
・ボツリヌストキシン注射では左右差や筋力低下
・脂肪吸引では出血、感染、血腫
・豊胸手術では感染、血腫、被膜拘縮、左右差、そして気胸
などが代表的です。
重要なのは、「リスクがあるかどうか」ではなく、「そのリスクをどこまで減らせるか」「万が一発生した際に適切な初期対応ができるか」です。
なぜ豊胸で気胸が起こるのでしょうか?
乳房の奥には、胸郭(肋骨)、胸膜、そして肺があります。
おおまかな解剖学的な構造は、
皮膚
↓
皮下脂肪
↓
乳腺組織
↓
大胸筋・小胸筋
↓
肋骨
↓
胸膜
↓
肺
という順番になっています。
気胸とは、この胸膜に小さな穴が開き、肺から空気が漏れて肺がしぼんでしまう状態です。
胸膜は非常に薄い膜であり、強い力が加わると損傷する可能性があります。
そのため、脂肪注入豊胸やインプラント豊胸では、常に胸膜の位置を意識しながら手術を行う必要があります。
実際に、乳房再建を含む乳房手術では、国内外で気胸の症例報告が存在しており、美容外科医であれば十分に認識しておくべき合併症の一つです。
AVAN TOKYOで行っている気胸予防への取り組み
脂肪豊胸
脂肪注入では、無理に深い層まで注入することは行いません。
適切な解剖学的層を守り、安全性を優先しながら必要な部位へ丁寧に脂肪を注入しています。
「たくさん注入すること」よりも、「安全に定着しやすい環境を作ること」を重視しています。
シリコンバッグ豊胸
AVAN TOKYOでは、患者様の状態に応じて最適な挿入層を選択しています。
多くの症例では、自然な丸みやデコルテのラインを作りやすい乳腺下法を選択しています。
一方で、
・男性の豊胸
・乳房再建
・乳腺組織が非常に薄い方
などでは、大胸筋下など他の術式が適している場合もあります。
術前に骨格や組織の厚みを十分評価したうえで、一人ひとりに合わせた術式をご提案しています。
万が一、気胸が起こった場合の対応体制
どれだけ慎重に手術を行っても、医療に絶対はありません。
そのためAVAN TOKYOでは、「起こさない努力」と同時に、「起こった際の迅速な対応」を重視しています。
院内では、
・身体診察
・超音波(エコー)による迅速な評価
・必要に応じた胸腔脱気
・胸腔ドレーン挿入
・提携医療機関との速やかな連携
を行える体制を整えています。
当院では肋骨リモデリング(Rib Remodeling)も行っているため、胸郭周囲の解剖を熟知し、緊急対応のトレーニングも継続的に実施しています。
万が一の際にも迅速に胸腔ドレーンを留置できるよう、解剖学的知識と手技の維持・向上に努めています。
実は、気胸は手術以外でも起こることがあります
特に痩せ型で背の高い方では、強い咳や運動などをきっかけに自然気胸を発症することがあります。
つまり、胸膜は想像以上に繊細な組織です。
だからこそ、乳房手術では解剖学を十分理解し、安全域を守った手術が重要になります。
AVAN TOKYOが大切にしていること
美容医療は、リスクを隠すものではありません。
「絶対に安全」「100%大丈夫」といった表現は、医学的には適切ではないと私たちは考えています。
大切なのは、
・患者様にリスクを正しくお伝えすること
・解剖学に基づいた安全性の高い手術を行うこと
・リスクを可能な限り低減する工夫を積み重ねること
・万が一の事態にも迅速かつ適切に対応できる体制を維持すること
です。
AVAN TOKYOでは、形成外科・美容外科の知識と解剖学に基づいた手術を徹底し、「自然で美しい結果」と「安全性」の両立を追求しています。
患者様に安心して手術を受けていただくために、私たちは技術だけでなく、リスク管理や緊急対応体制の向上にも日々取り組み続けています。
※本記事は患者教育を目的として作成しています。
※豊胸手術を含むすべての医療行為にはリスクがあります。手術適応や術式は、診察のうえ患者様の体格や解剖学的特徴を総合的に評価して決定します。