乳房吊り上げ術による乳房縮小とは2026.06.30
下垂したバストを小さくしながら、形・位置・バランスを整える手術
乳房縮小術は、単純にバストを小さくするだけの手術ではありません。
特に、乳房の下垂を伴う方では、余分な皮膚や乳腺・脂肪を減らすだけでなく、乳輪・乳頭の位置を引き上げ、バスト全体の形を整える必要があります。

このように、乳房を小さくしながら吊り上げる手術は、医学的には「乳房縮小術」「乳房吊り上げ術」「マストペキシー」「リダクションマモプラスティ」などと呼ばれます。
AVAN TOKYOでは、バストをただ小さくするのではなく、体型・皮膚の伸び・下垂の程度・乳輪位置・左右差・傷跡の許容度まで総合的に評価し、自然で美しいバストラインを目指します。
乳房縮小術と乳房吊り上げ術の違い
乳房縮小術と乳房吊り上げ術は似ていますが、目的が少し異なります。
乳房縮小術
乳房のボリュームを減らす手術です。
乳腺、脂肪、余分な皮膚を切除し、重さを軽減します。
大きな胸による肩こり、首こり、背中の痛み、ブラジャーの食い込み、汗かぶれ、服の着づらさなどで悩まれている方に適応となることがあります。
乳房吊り上げ術
下がった乳房や乳輪・乳頭の位置を上げ、バストの形を整える手術です。
ボリュームを大きく減らすというより、位置と形を改善する目的が中心です。
吊り上げを伴う乳房縮小術
乳房が大きく、さらに下垂もある場合には、乳房縮小と吊り上げを同時に行います。
余分なボリュームを減らしながら、乳輪・乳頭を自然な位置へ移動し、バスト全体を再形成します。
乳房下垂の程度による分類
乳房下垂は、乳頭の位置と乳房下溝の関係をもとに評価します。
乳房下溝とは、バストの下側と胸壁の境目にあるラインのことです。
軽度下垂
乳頭が乳房下溝付近にある状態です。
バスト全体の下垂は軽度で、皮膚の余りも比較的少ないことが多いです。
この場合、乳輪周囲切開など、傷跡を比較的少なくする術式が検討されることがあります。
中等度下垂
乳頭が乳房下溝より下に位置している状態です。
皮膚の余りやバストの下垂が明らかになり、乳輪周囲だけでは十分な吊り上げが難しいことがあります。
縦切開や逆T字切開が適応となることがあります。
高度下垂
乳頭が乳房の最下部近くまで下がっている状態です。
乳房の皮膚の余りが多く、バストの重さや形の崩れも強いことが多いです。
この場合は、十分な皮膚切除と乳房形成が必要になるため、逆T字切開が選択されることが多くなります。
仮性下垂
乳頭の位置は大きく下がっていないものの、乳房の下側にボリュームが落ちている状態です。
産後や授乳後、体重減少後に見られることがあります。
乳頭位置だけでなく、乳房全体のボリューム分布を見て術式を判断します。
乳房吊り上げ術・乳房縮小術の主な切開方法
乳房吊り上げ術には複数の切開方法があります。
どの術式が適しているかは、下垂の程度、乳房の大きさ、皮膚の余り、乳輪の大きさ、希望するサイズ、傷跡の許容度によって異なります。
- 乳輪周囲切開
乳輪の周囲を円形に切開し、余分な皮膚を切除して乳輪・乳頭を引き上げる方法です。
適応
軽度の下垂、乳輪の拡大、軽い左右差、皮膚の余りが少ない方に向いています。
メリット
傷跡が乳輪の境目に沿うため、比較的目立ちにくいことがあります。
乳輪のサイズを小さくすることも可能です。
デメリット
吊り上げられる距離には限界があります。
中等度以上の下垂では、十分な変化が出にくいことがあります。
皮膚を寄せる力が乳輪周囲に集中するため、乳輪が広がる、傷跡が太くなる、バストが平坦に見えるなどのリスクがあります。 - 縦切開
乳輪周囲に加えて、乳輪下から乳房下溝方向へ縦の切開を加える方法です。
「ロリポップ切開」と呼ばれることもあります。
適応
軽度から中等度の下垂、ある程度の皮膚切除が必要な方、乳房の形を立体的に整えたい方に適しています。
メリット
乳輪周囲切開よりもしっかり吊り上げることができます。
乳房の下垂を改善しながら、バストの形を整えやすい術式です。
横方向の傷がないため、逆T字切開より傷跡が少なく済む場合があります。
デメリット
乳輪下に縦の傷跡が残ります。
術後早期は乳房下部にしわや硬さが出ることがあります。
高度な下垂や皮膚の余りが多い方では、十分な皮膚処理が難しいことがあります。 - 逆T字切開
乳輪周囲、乳輪下の縦切開、乳房下溝に沿った横切開を組み合わせる方法です。
「アンカー切開」「Wise pattern」と呼ばれることもあります。
適応
中等度から高度の下垂、乳房が大きい方、皮膚の余りが多い方、大きな乳房縮小を希望される方に向いています。
メリット
余分な皮膚をしっかり切除でき、下垂の強い乳房でも形を整えやすい術式です。
乳房のボリュームを減らしながら、乳輪・乳頭の位置を大きく引き上げることができます。
バストの横広がりや下垂を改善し、より安定した形を作りやすい点が特徴です。
デメリット
傷跡は最も長くなります。
乳房下溝の横の傷や、縦と横が交わるT字部分の治癒に時間がかかることがあります。
腫れ、硬さ、傷跡の赤みが落ち着くまでには時間が必要です。
手術方法の基本的な流れ
乳房縮小術・乳房吊り上げ術では、以下のような流れで手術を行います。
- 術前デザイン
立った状態で乳房の位置、乳輪・乳頭の高さ、左右差、皮膚の余り、乳房下溝の位置を確認します。
バストは寝た状態と立った状態で形が変わるため、術前のマーキングは非常に重要です。 - 麻酔
手術は通常、静脈麻酔または全身麻酔で行います。
AVAN TOKYOでは、麻酔科専門医と連携し、安全性に配慮した麻酔管理を行います。 - 余分な皮膚・乳腺・脂肪の切除
希望するサイズや下垂の程度に応じて、余分な乳腺・脂肪・皮膚を切除します。
単に小さくするだけでなく、バストの形を整えるように切除量と切除範囲を調整します。 - 乳輪・乳頭の移動
乳輪・乳頭をより自然な高さへ移動します。
この際、血流を保つことが非常に重要です。
過度な移動や組織への負担は血流障害のリスクにつながるため、術前評価と術中判断が重要になります。 - 乳房の再形成
残した乳腺組織を整え、バストの丸みや高さを再構築します。
必要に応じて、内側や上側のボリューム感、乳房下部の支え、左右差を調整します。 - 縫合・固定
皮膚を丁寧に縫合し、術後の形を安定させるために固定します。
術後は専用のブラジャーや圧迫固定を使用することがあります。
乳房吊り上げ術による乳房縮小術のメリット
乳房縮小術・乳房吊り上げ術には、見た目だけでなく日常生活の快適さにつながるメリットがあります。
バストの位置が上がる
下がった乳輪・乳頭の位置を引き上げることで、若々しく整った印象を目指せます。
バストの重さを軽減できる
乳房が大きい方では、肩こり、首こり、背中の負担、ブラジャーの食い込みが軽減される可能性があります。
服を綺麗に着やすくなる
バストの位置や大きさが整うことで、タイトな服、ワンピース、水着、下着が合わせやすくなることがあります。
乳輪の大きさを整えられる
乳輪が大きく伸びている場合、手術時に乳輪径を小さく整えることが可能です。
左右差を調整できる
完全な左右対称は難しいものの、乳房の大きさや乳輪位置の左右差を改善できる可能性があります。
デメリット・注意点
一方で、乳房縮小術・乳房吊り上げ術には必ず理解しておくべきデメリットもあります。
傷跡が残る
切開を伴う手術のため、傷跡は必ず残ります。
特に逆T字切開では、乳輪周囲、縦方向、乳房下溝の横方向に傷跡ができます。
ただし、傷跡は時間の経過とともに赤みが薄くなり、徐々に目立ちにくくなることが多いです。
完成まで時間がかかる
術後1ヶ月では、腫れ、硬さ、左右差、傷跡の赤みが残ることがあります。
バストの形や傷跡が落ち着くには、一般的に3〜6ヶ月以上かかります。
傷跡の成熟には6ヶ月〜1年以上かかることもあります。
乳輪・乳頭の感覚が変化することがある
一時的または長期的に、乳輪・乳頭の感覚が鈍くなる、敏感になる、左右差が出る可能性があります。
授乳に影響する可能性がある
乳腺組織を切除したり、乳輪・乳頭を移動したりするため、将来の授乳に影響する可能性があります。
妊娠・出産の予定がある方は、術前に必ず相談が必要です。
再下垂の可能性がある
加齢、体重変動、妊娠、授乳、皮膚の質によって、将来的に再び下垂する可能性があります。
ダウンタイムの目安
ダウンタイムには個人差がありますが、一般的な目安は以下の通りです。
術後数日
腫れ、痛み、内出血、つっぱり感が出やすい時期です。
無理な動作や腕を大きく上げる動作は避けます。
術後1週間
痛みは徐々に落ち着いてきますが、腫れや内出血は残ります。
創部の状態を確認し、必要に応じて処置を行います。
術後2週間
デスクワークなど軽い仕事に復帰できる方もいます。
ただし、重い荷物を持つ、強い運動をする、胸を強く揺らす動作は避ける必要があります。
術後1ヶ月
日常生活はかなり戻りますが、まだ完成ではありません。
腫れ、硬さ、左右差、傷跡の赤みが残ることがあります。
術後3〜6ヶ月
バストの形が徐々に自然になり、傷跡の赤みも少しずつ落ち着いていきます。
術後6ヶ月〜1年
傷跡が成熟し、最終的な形に近づいていきます。
体質によっては傷跡の赤みや硬さが長く残ることもあります。
リスク・副作用
乳房縮小術・乳房吊り上げ術は切開を伴う手術であり、以下のようなリスクがあります。
● 腫れ
● 内出血
● 痛み
● 感染
● 血腫
● 漿液腫
● 傷の治りが遅い
● 傷跡の赤み・肥厚性瘢痕・ケロイド
● 左右差
● 乳房の形の不整
● 乳輪・乳頭位置の左右差
● 乳輪・乳頭の感覚低下
● 乳輪・乳頭の血流障害
● 乳輪・乳頭壊死
● 皮膚壊死
● 脂肪壊死
● しこり
● 授乳機能への影響
● 再下垂
● 修正手術が必要になる可能性
● 麻酔に伴うリスク
● 深部静脈血栓症、肺塞栓などの全身合併症
特に、乳輪・乳頭を大きく移動する症例や、乳房が非常に大きい症例、喫煙歴がある方、糖尿病などの基礎疾患がある方では、血流障害や創傷治癒遅延のリスクが高くなることがあります。
AVAN TOKYOの乳房縮小術・乳房吊り上げ術の特徴
AVAN TOKYOでは、乳房縮小術・乳房吊り上げ術を単なるサイズダウンの手術とは考えていません。
大切にしているのは、小さくすること、上げること、自然な形に整えること、安全に行うことです。
- 麻酔科専門医と連携した麻酔管理
乳房縮小術・乳房吊り上げ術は、手術時間が長くなることもある切開手術です。
そのため、麻酔管理は非常に重要です。
AVAN TOKYOでは、麻酔科専門医と連携し、患者様の安全性に配慮した麻酔管理を行います。 - ボディの切開手術に特化した形成外科医が執刀
当院では、大学病院所属の形成外科医であり、ボディの切開手術に特化した藤本アベリーノ医師が執刀します。
乳房縮小術や乳房吊り上げ術では、皮膚切除、乳輪・乳頭移動、乳腺形成、傷跡のデザイン、血流管理など、形成外科的な知識と技術が重要です。
切開を伴う手術だからこそ、解剖を理解し、傷跡と形の両方に配慮した手術設計が必要です。 - 下垂の程度に応じた術式選択
軽度下垂、中等度下垂、高度下垂では、適した術式が異なります。
AVAN TOKYOでは、乳輪周囲切開、縦切開、逆T字切開などの選択肢から、患者様の状態に合わせた術式をご提案します。
傷跡を少なくすることだけを優先するのではなく、希望する変化量と長期的な形の安定性を考えて術式を選択します。 - 乳房の形と体型全体のバランスを重視
バストだけを見てサイズを決めるのではなく、肩幅、胸郭、ウエスト、ヒップ、身長、体重とのバランスを確認します。
AVAN TOKYOでは、脂肪吸引やボディデザインの経験を活かし、乳房を体全体のシルエットの一部として考えます。 - 術後フォローまで重視
乳房縮小術・乳房吊り上げ術は、術後すぐに完成する手術ではありません。
腫れ、硬さ、傷跡、左右差は時間とともに変化します。
AVAN TOKYOでは、術後の診察、創部管理、傷跡ケア、生活指導まで含めて、完成まで丁寧にサポートします。
乳房縮小術・乳房吊り上げ術が向いている方
以下のようなお悩みがある方は、乳房縮小術・乳房吊り上げ術の適応となる可能性があります。
● 胸が大きくて重い
● 肩こりや首こりがつらい
● ブラジャーの肩紐が食い込む
● 胸が下がって見える
● 乳輪・乳頭の位置が低い
● 授乳後にバストが垂れた
● 体重減少後に皮膚が余った
● 胸を小さくしながら形も整えたい
● 乳輪の大きさも整えたい
● 傷跡よりも形の改善を優先したい
カウンセリングで確認すること
カウンセリングでは、以下の点を確認します。
● 希望するバストサイズ
● 下垂の程度
● 乳輪・乳頭の位置
● 左右差
● 皮膚の伸び
● 乳房の重さ
● 乳腺と脂肪の割合
● 既往歴
● 喫煙歴
● 妊娠・授乳予定
● 傷跡の許容度
● 術後に必要な休みの期間
これらを総合的に判断し、適切な術式を決定します。
よくある質問
Q. 乳房縮小術と乳房吊り上げ術は同時にできますか?
はい、同時に行うことが多いです。
大きくて下垂しているバストでは、ボリュームを減らすだけでなく、乳輪・乳頭の位置を上げて形を整える必要があります。
Q. 傷跡は残りますか?
はい、切開を伴うため傷跡は残ります。
ただし、術式や体質によって目立ち方は異なります。
傷跡は術後数ヶ月は赤みがありますが、時間とともに徐々に落ち着いていくことが多いです。
Q. 逆T字切開は傷跡が大きいですか?
乳輪周囲切開や縦切開と比べると、傷跡は長くなります。
しかし、高度な下垂や大きな乳房縮小では、逆T字切開の方が皮膚を十分に処理しやすく、形を安定させやすい場合があります。
傷跡の少なさだけでなく、下垂改善の確実性と長期的な形の安定性を考えて選択することが大切です。
Q. 乳輪・乳頭の感覚は残りますか?
多くの場合、感覚は徐々に回復することがありますが、一時的または長期的に感覚が鈍くなる可能性があります。
乳輪・乳頭を大きく移動する症例では、感覚変化のリスクが高くなることがあります。
Q. 将来授乳できますか?
術式や切除量によっては、授乳に影響する可能性があります。
将来妊娠・授乳を希望される方は、必ず術前にご相談ください。
Q. 仕事復帰はいつ頃できますか?
デスクワークであれば、術後1〜2週間程度で復帰される方もいます。
ただし、体を使う仕事、重いものを持つ仕事、腕を大きく動かす仕事では、より長い休みが必要になることがあります。
Q. 完成はいつですか?
バストの形は3〜6ヶ月ほどかけて自然になっていきます。
傷跡の成熟には6ヶ月〜1年以上かかることがあります。
まとめ
乳房吊り上げ術による乳房縮小術は、バストを小さくするだけの手術ではありません。
下垂した乳房を引き上げ、乳輪・乳頭の位置を整え、余分な皮膚やボリュームを調整し、全身のバランスに合った自然なバストラインを目指す手術です。
術式には、乳輪周囲切開、縦切開、逆T字切開などがあり、下垂の程度や希望する変化量によって適した方法は異なります。
AVAN TOKYOでは、麻酔科専門医と連携した安全管理のもと、大学病院所属の形成外科医であり、ボディの切開手術に特化した藤本アベリーノ医師が執刀します。
バストの大きさ、下垂、乳輪位置、傷跡、ダウンタイム、安全性まで総合的に考え、患者様一人ひとりに適した治療をご提案します。
※このコラムは医学教育目的で作成しています。効果や経過には個人差があります。