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脂肪豊胸2回目で左右差と胸下段差を補正する追加注入デザインを医師が解説2026.09.24

「一度脂肪豊胸を受けたけれど、上部の丸みや下部の輪郭がまだ物足りない」——脂肪豊胸2回目の追加注入は、単純に前回と同じ手技を繰り返すものではありません。前回どの層に、どの位置に脂肪が生着したかを触診と視診で読み解き、足りない場所・厚みが不十分な層にだけ的確に足していく「仕上げのフェーズ」です。今回は20代女性で腹部全体からドナー脂肪を採取し、追加注入として左右非対称の多層設計と胸下(インフラマンマリー)皮下追加を行った一例をもとに、当日の術中判断とデザイン思考を森脇医師の視点で解説します。

この記事の要点

・脂肪豊胸2回目は「量」より「どの層」「どの位置」に追加するかで仕上がりが決まる

・前回の生着マップを触診で読み、左右で注入層と量を変える非対称デザインを選ぶことがある

・胸下(インフラマンマリー・皮下=SC)への少量追加は下部の段差・輪郭を滑らかにする

・腹部ドナーは低速遠心後の純脂肪確保量が読みやすく追加注入に適する

・追加注入も感染・しこり・左右差残存などのリスクがあり、圧迫と生着環境の管理が要となる

なぜ脂肪豊胸2回目が必要になるのか

脂肪豊胸は注入した脂肪の一部が「生理的許容量」を超えたぶんから吸収されていくため、初回で目標サイズに到達できる方は多くありません。特に痩せ型の方や、乳腺下組織が硬く1回に入れられる量に生理的限界がある方では、初回は「安全に生着させられる量」を優先し、残りの目標体積を2回目で足していく戦略が理にかなっています。今回の症例でも、初回に乳腺下・大胸筋内・皮下へ注入したうえで、生着後の触診所見から「上外側の丸みは出たが、下部の輪郭に段差が残る」「左右で厚みに差が出た」という残課題を確認し、今回の追加注入デザインを組み立てました。

この症例の治療内容・費用・リスク

【行った治療の内容】20代女性・追加の脂肪注入豊胸(2回目)。腹部全体をベイザー系の超音波ハンドピース(VASER相当)で乳化した後、チュメセント麻酔下に腹部全体から脂肪を吸引し、コンデンス処理と低速遠心にかけて純脂肪を確保。両胸に片胸あたり約200ml、合計約400mlを、乳腺下・大胸筋内・筋膜下・皮下の4層に分割注入し、術中所見から胸下(インフラマンマリー)皮下への追加補整を判断しました。

【費用について】具体的な費用は部位・注入量・機器選択・麻酔内容で変動するため、費用は料金ページをご確認ください。

【主なリスク・副作用】腹部ドナー側:内出血・腫脹・拘縮・左右差・皮膚のしびれ・稀に凹凸/漿液腫。胸側:しこり(オイルシスト・脂肪壊死)・石灰化・感染・左右差の残存・生着不足による追加手術の可能性。写真は一例であり、効果には個人差があります。

症例写真

脂肪豊胸2回目のデザイン|なぜ左右で注入層を変えたのか

追加注入で最も難しいのは、「左右を対称に見せるためにあえて非対称に注入する」という発想です。今回は右胸に対して乳腺下60ml・大胸筋内60ml・筋膜下0ml・皮下80mlの計200mlを、左胸には乳腺下60ml・大胸筋内60ml・筋膜下20ml・皮下60mlの計200mlを配分しました。右側は初回時に下外側の皮下厚がやや薄く輪郭に段差が残っていたため皮下比率を高くし、逆に左側は下極の張りが弱く土台の押し上げが必要だったため筋膜下に20mlを追加しました。数字だけを見ると小さな差ですが、この20mlが上部の丸みや谷間の立ち上がりに影響します。

「量を増やせば大きくなる」は誤解

1回に大量注入すると中心部が虚血に陥り、脂肪細胞は酸素拡散が届く3ゾーンの外側で壊死・オイル化しやすくなります。追加注入の目的は生理的許容量の範囲内で「足りない場所に足す」ことであり、片側200ml前後という量は、既に一定の脂肪ベッドがある2回目ならではの許容量です。1回目の生着結果を触診で把握しているからこそ、この量とレイヤー配分を安全域内で判断できます。

胸下SC追加|下部の段差と輪郭を滑らかにする補整

今回の手術では、既定の乳腺下・筋内注入を終えた後、当日の術中所見から胸下(インフラマンマリー・皮下=SC)への追加補整を判断しました。バスト下部の皮下組織が薄いと、乳腺下や筋下にどれだけ入れても下乳のフォールドに段差が浮き上がり、寄せたときに不自然な影や凹みが出やすくなります。ここに少量の皮下脂肪を追加することで、下部輪郭が滑らかに立ち上がり、Tシャツやブラ越しのシルエットが自然になります。SC追加は「胸を大きくする」ためではなく「輪郭を丸くつなぐ」ための補整レイヤーであり、術前計画に固定するのではなく、術中の左右差・皮膚の伸展性を見ながら判断するのが妥当です。

症例写真

腹部ドナーを選ぶ理由と低速遠心の役割

今回はドナーとして腹部全体(上腹部・下腹部・臍周囲)を選択しました。腹部脂肪は皮下深層に比較的均一な線維構造を持ち、ベイザー系機器での乳化後もダメージが少ない状態で採取しやすい部位です。吸引した脂肪から低速遠心・コンデンス処理を経て純脂肪を確保することで、実際に生着可能な脂肪量を予測しやすくなります。遠心の回転数を上げすぎるとアディポサイトそのものが破砕され、脂肪由来幹細胞(ADSC)画分の生存率も下がるため、当院ではあえて低速で油分・血液成分・水分だけを分離する方針をとっています。腹部ドナーはウエストの輪郭形成にも寄与するため、追加豊胸と体幹シルエットの微修正を1回のダウンタイムで整えられる利点もあります。

術後の圧迫と生着環境|ワーデル固定の意味

脂肪豊胸の生着は術後3〜7日で血管新生(ネオバスキュラライゼーション)が始まり、術後3ヶ月ほどかけて安定します。この期間に強い圧迫を胸全体にかけると、注入脂肪が押し出されたり、血流が絞られて生着率が下がるため、当院ではワーデル型の上方固定を用い、「胸そのものを潰さず、上部から下部へのズレを防ぐ」設計にしています。ブラジャーはワイヤーレスのスポーツブラを原則3〜4週間続け、ワイヤー入りやプッシュアップ型への復帰は主治医の判断で決めます。腹部ドナー側はボディスーツで均一に圧迫し、内出血・漿液腫・凹凸の予防に努めます。強すぎる圧も弱すぎる圧も仕上がりを損なうため、着用時間・強度は診察ごとに調整します。

脂肪豊胸2回目の適応と限界

2回目の追加注入は、初回から3ヶ月以上経過し、生着と拘縮が落ち着いてから検討します。ドナー脂肪が枯渇している方、感染既往や強い瘢痕がある方、重度の左右差や下垂を伴う方は、単純な追加注入だけでは対応が難しく、条件付きの適応や別術式の併用となる場合があります。追加注入をしても目標に届かない場合はハイブリッド豊胸(インプラント併用)への切り替えを検討することもあります。美容外科の安全基準や術式選択の考え方については日本美容外科学会の情報も参照できます。他の症例や術後経過については、脂肪吸引の関連コラム一覧はこちらから確認いただけます。

よくある質問

Q. 脂肪豊胸2回目はいつから受けられますか?

初回の腫脹・拘縮が落ち着き、生着が安定する術後3ヶ月以降が一つの目安です。ただし触診でしこりや強い硬結が残っている場合は、さらに時間を空けたほうが追加注入の生着環境として有利になることがあります。個々の経過に応じて医師と相談してください。

Q. 2回目は初回と同じくらいサイズが大きくなりますか?

2回目は既に脂肪ベッドがあり、生理的許容量の範囲で「足りない場所・層」を仕上げる目的が中心です。カップサイズを大きく変えるより、形・左右差・下部輪郭を整える意味合いが強くなり、期待するゴールを主治医と共有しておくことが大切です。

Q. 追加注入でしこり(オイルシスト)のリスクは増えませんか?

2回目でも過量注入や1点集中注入はしこりの原因になります。当院では多層・多方向に少量ずつ分散して注入し、既存の硬結を触知しながらそこを避けるようにカニューレを進めます。それでも0にはできないため、術後のセルフチェックと定期診察が重要です。

Q. ドナーは前回と別部位のほうがよいですか?

前回と同じ部位でも、対称性を保ちながら深層・浅層のバランスをとれば安全に採取できます。前回で腹部を取り切っていない場合は、追加分を再度腹部から採取することも選択肢です。ただし過吸引で凹凸が生じている方は太もも・腰など別部位を検討します。

Q. 胸下(インフラマンマリー)への皮下追加は必ず行いますか?

必ずではありません。下部の皮下厚が既に十分な方や、下垂傾向がない方には追加を行わないこともあります。術中に指で挟んで皮下の厚み・段差・皮膚の伸展性を評価し、必要と判断したときだけ少量を追加補整します。

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料金・症例写真・よくある質問は 脂肪豊胸の施術ページ をご覧ください。

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【監修】森脇 進 / Shin Moriwaki(監修医師)

日本美容外科学会(JSAS)会員 / American Academy of Aesthetic Medicine 会員

米国医師免許資格(ECFMG certificate)

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