コラム

幹細胞培養上清液 × モフィウス82026.02.17

― “直接ドラッグデリバリー”という医学的戦略 ―

再生医療の分野では、幹細胞培養上清液(Stem Cell Conditioned Media, SCCM)に含まれる
サイトカイン群(EGF, IGF-1, VEGF, FGF, TGF-β など)やエクソソームの活用が注目されています。

しかし、臨床で本当に重要なのは、

「何を使うか」ではなく、
“どの層へ、どの濃度で、どう届けるか”

という視点です。

AVAN TOKYOでは、上清液を単なる塗布や点滴で用いるのではなく、
モフィウス8(RFマイクロニードル)を用いた“直接ドラッグデリバリー”という形で、真皮・頭皮へ作用させています。

その医学的意義を解説します。


1. 目的組織へ“高濃度”で到達させるという発想

点滴投与では、有効成分は全身循環へ入り、目的部位へ到達するまでに希釈されます。
局所での実効濃度を高く維持することは容易ではありません。

一方、モフィウス8は

  • 微細針(micro-needle)で真皮層にマイクロチャネルを形成
  • 同時にRF(高周波)で微小損傷(micro-injury)を誘導

します。

この直後に上清液を導入することで、

  • 血中で希釈されない
  • 局所に高濃度で滞留しやすい
  • 創傷治癒反応と成長因子が同時に作用する

という環境が整います。

これは「全身投与」とは全く異なる、局所制御型治療です。


2. 真皮リモデリングとの“相乗効果”

モフィウス8のRF照射は、

  • コラーゲン収縮
  • 線維芽細胞刺激
  • 真皮リモデリング促進

を引き起こします。

ここに、EGF・IGF-1・VEGFなどのサイトカインが加わることで、

  • 表皮ターンオーバー促進
  • 血管新生(VEGF)
  • 抗炎症作用
  • 創傷治癒の加速

といった生物学的反応が理論的に強化されます。

つまり、

物理刺激(RF) × 生物学的刺激(サイトカイン)

という二重の刺激設計が成立します。

単独治療では得られない“レイヤードアプローチ”が可能になります。


3. 頭皮・毛包への直接アプローチ

毛髪再生において重要なのは、

  • 毛包周囲の血流改善
  • 成長期(Anagen)への移行刺激
  • 休止期毛包の活性化

です。

モフィウス8で頭皮に微細孔を形成し、IGF-1やVEGFを直接導入することで、

  • 毛母細胞周期の促進
  • 毛包周囲血管の改善
  • 炎症環境の軽減

が理論的に期待されます。

これは、点滴や内服では再現が困難な局所標的型治療です。


4. エビデンスの位置づけ

エクソソーム単体の臨床応用については、現在も研究段階にあります。
一方で、幹細胞培養上清液に含まれるサイトカインの

  • 抗炎症作用
  • 創傷治癒促進
  • 血管新生効果

については、基礎研究・臨床報告が蓄積されています。

重要なのは、

誇張しないこと
科学的根拠に基づき、適切な適応で使用すること

再生医療は万能ではありません。
しかし、解剖学・皮膚科学・創傷治癒学に基づいて設計すれば、
理論的合理性の高い治療戦略となります。


5. 安全性とコントロール

ドラッグデリバリー方式の最大の利点は、

  • 投与層を明確にコントロールできる
  • 投与量を局所で管理できる
  • 全身への不要な影響を最小限に抑えられる

点にあります。

これは「なんとなく再生医療を行う」のではなく、
医学的に設計されたプロトコルで行う再生治療という考え方です。


まとめ

幹細胞培養上清液を
モフィウス8で“直接ドラッグデリバリー”する医学的本質は、

  • 局所高濃度投与
  • 真皮リモデリングとの相乗効果
  • 毛包への直接作用
  • 創傷治癒メカニズムの最大化

にあります。

流行やマーケティングではなく、
層・濃度・刺激設計を科学的に組み立てること。

それが、世界基準の再生医療だと考えています。

AVAN TOKYOでは、
科学的根拠と安全性を最優先に、
理論に基づいた再生プロトコルを提供していきます。