LINE予約
Columnコラム

お尻の上の段差はなぜできる?腰仙移行部の脂肪と骨格を医師が解説2026.06.27

お尻の上の段差はなぜできるのか――この悩みは、痩せていても体重を落としても、なかなか解消されない美容上の課題のひとつです。腰の少し下、仙骨の上あたりに横方向の凹みができることで、後ろ姿全体が「のっぺりして見える」「ヒップラインが下がって見える」と感じる方が後を絶ちません。当院でも、こうした腰仙部の凹凸を主訴に来院される方は年々増えています。本コラムでは、その本当の原因を、腰仙移行部(lumbo-sacral junction)の解剖学的構造と脂肪の付き方から、医学的に詳しく解説いたします。

ヒップライン 後ろ姿

お尻の上の段差の正体──腰仙移行部の解剖学的構造

まずこの凹みの部位は、解剖学的には腰仙移行部(ようせんいこうぶ)と呼ばれる領域に相当します。第5腰椎と第1仙椎の境界部、骨盤の後上腸骨棘(PSIS)の少し上に位置するゾーンです。

この部位は、脊柱起立筋(腰多裂筋・最長筋)の停止部と、殿筋膜の起始部が交差する解剖学的な”継ぎ目”でもあります。骨格としては、仙骨は後方へ少し角度をつけて存在し、その上に腰椎が前弯(前向きのカーブ)を描いています。つまり、もともと骨格レベルで凹凸が生まれやすい構造になっているのです。さらにこの周辺は皮下脂肪と筋膜が比較的強固に癒着しており、脂肪の付き方によって表面の見え方が大きく変化する場所でもあります。

骨格的要因──仙骨の前傾と腰椎前弯

骨盤の前傾が強い方は、腰椎前弯(lumbar lordosis)が増強し、腰仙部の屈曲点が深くなります。この場合、段差は構造的に強調されやすく、いくら脂肪を取っても完全には消えません。骨格由来の凹みは、骨そのものを動かすことができない以上、ある程度残存することを理解する必要があります。逆に、骨盤が後傾している方では、同じ凹みでも目立ち方が緩やかになる傾向があり、骨盤の傾きをカウンセリングで必ず評価することが重要です。

脂肪分布的要因──腰背部の浅層脂肪の厚み

一方で、腰背部の浅層脂肪が厚くなると、本来あるはずの段差の”上側のふくらみ”が強調され、凹みがより目立ちます。特にアジア人女性は腰背部から仙骨上に脂肪が乗りやすい体型傾向があり、欧米人と比較しても、こうした凹凸が出やすい解剖学的特徴を持っているといわれています。加えて加齢に伴う殿筋上部のボリュームダウン(いわゆる”ヒップ落ち”)が進むと、段差の下のふくらみが消え、相対的に凹みが深く見えるという二重の問題も生じます。

お尻の上の段差は脂肪吸引で改善できるのか

結論から言えば、お尻の上の段差の多くは脂肪吸引で改善可能ですが、すべてのケースで完全に消せるわけではありません。施術デザインを誤ると、かえって凹みが強調されてしまう危険もあります。

腰脂肪吸引においては”段差の上の隆起部分”を浅層から面で吸引し、段差の下のヒップ上部(ハイヒップ)には脂肪を残す、あるいは脂肪移植として注入するという、引き算と足し算の同時設計が必要です。当院ではこれを”腰仙ライン形成”と呼んでいます。

適応となるケース

・腰背部の浅層脂肪が厚く、つまめる脂肪が2cm以上ある方

・骨盤の傾きが極端でなく、原因の主因が脂肪である方

・皮膚弾性が保たれている20〜40代前半の方

適応が限定されるケース

・先天的な仙骨前傾が強く、骨格レベルで凹みが深い方

・体重変動を繰り返し、皮膚が伸びきっている方

・腰背部の脂肪が極端に薄く、つまめない方

当院の腰仙移行部に対する施術デザイン

当院では、お尻の上の段差に対し、複合的アプローチを取ります。まず、ベイザー脂肪吸引で腰背部浅層と側腹下部の脂肪を3次元的に吸引し、段差の上の隆起を解消します。次に、必要に応じてヒップ上部(ハイヒップ)に脂肪移植を行い、段差の下のボリュームを補強します。これにより、横から見たとき美しいS字カーブを描く、立体的で女性らしい腰仙ラインが形成されます。

また、皮膚弾性が低下している方には、術後に高周波RFやモフィウス8バースト等の皮膚タイトニング治療を追加することで、皮膚収縮を促し、凹凸の残存を予防します。デザイン段階で「どこを吸い、どこを残し、どこに足すか」を立体的に設計できるかが、結果を大きく左右します。単純に「腰背部を全部薄くする」という発想で吸引すると、ヒップ上部のボリュームまで失われ、かえってお尻全体が下垂して見える結果になりかねません。

また、ハイヒップへの脂肪移植は、量を入れすぎると今度はその上部に新たな段差を生むため、注入量・注入深度・注入層を一層ずつ繊細にコントロールする必要があります。当院では脂肪採取量・濃縮の有無・注入カニューレ径まで、各症例に合わせて最適化しています。

段差を悪化させないためのセルフケアと注意点

骨盤前傾が強い方は、腸腰筋ストレッチや殿筋トレーニング(ヒップリフトなど)を取り入れることで、段差の見え方を軽減できる場合があります。日常生活でも、長時間の座位姿勢を避け、骨盤を立てる意識を持つことが大切です。また、急激なダイエットは殿筋や腰背部の筋肉量を減らし、結果的に骨格由来の凹みを際立たせることがあるため、極端な減量は避け、筋肉量を維持しながら体脂肪をコントロールすることが望まれます。

ただし、セルフケアだけで腰仙部の凹みを完全に消すことは難しいため、強い悩みがある場合は専門医に相談されることをおすすめします。美容外科の安全基準については日本美容外科学会の情報も参考になります。

そのほかの脂肪吸引・豊胸に関する詳しい解説は、脂肪吸引の関連コラム一覧はこちらからご覧いただけます。

──────────────

【監修】森脇 進 / Shin Moriwaki(監修医師)

日本美容外科学会(JSAS)会員 / American Academy of Aesthetic Medicine 会員

米国医師免許資格(ECFMG certificate)

──────────────

📍AVAN TOKYO 銀座脂肪吸引クリニック

AVAN TOKYO GINZA LIPOSUCTION CLINIC

English / 中文 / Tiếng Việt 対応可能

ご予約・ご相談は

DM / LINE / Website / Phone より承っております。