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Columnコラム

持病がある方の脂肪吸引は受けられるのか|甲状腺・糖尿病・貧血と適応判断の考え方を医師が解説2026.07.14

「持病があると脂肪吸引は受けられないのでは?」——カウンセリングでこう不安を口にされる方は少なくありません。結論から申し上げると、多くの持病は適切な術前評価と内科主治医との連携により、脂肪吸引の適応となり得ます。しかし判断を誤れば、術中出血や創傷治癒遅延、深部静脈血栓症など重篤な合併症につながることも事実です。この記事ではAVAN TOKYO銀座脂肪吸引クリニックの森脇医師が、甲状腺疾患・糖尿病・貧血という代表的な三つの持病を軸に、脂肪吸引の適応判断がどのような医学的根拠で行われるのかを丁寧に解説します。

この記事の要点

・持病があるからといって、脂肪吸引の適応が一律に不可となるわけではない

・脂肪吸引の適応は「病名」ではなく「病態のコントロール状態」で判断される

・甲状腺機能・血糖(HbA1c)・ヘモグロビン値は術前血液検査で必ず確認される

・内科主治医の意見書と美容外科医の連携が安全を担保する最大の鍵

・術前休薬・栄養管理・禁煙は持病の有無に関わらず必須の準備である

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脂肪吸引の適応は「病名」ではなく「病態」で決まる

脂肪吸引は美容目的の待機的手術です。生命に直結する緊急手術と異なり、患者さんの全身状態が良好にコントロールされていることが大前提となります。したがって「甲状腺疾患があるからダメ」「糖尿病があるからダメ」という単純な線引きではなく、その病態が現在どの程度安定しているか、内服薬でコントロールされているか、合併症の有無はどうか——といった総合評価で適応を判断します。

広範囲脂肪吸引や脂肪豊胸では、静脈麻酔・全身麻酔下で数時間の手術を行い、大量の局所麻酔薬(チュメセント液)と輸液が体内に入ります。この生理的負荷に耐えられる循環動態・代謝機能・止血能があるかどうかが、判断の核心です。

術前に確認すべき身体機能

心機能・呼吸機能・肝腎機能・凝固能・電解質バランス。これらは術前血液検査と心電図、必要に応じて胸部レントゲンで評価します。異常値がある場合は、値そのものよりも「なぜその値なのか」を突き止めることが重要です。原因が明確でコントロール可能な範囲であれば、待機的手術としての適応が保たれます。

甲状腺疾患がある方の脂肪吸引

バセドウ病(甲状腺機能亢進症)と橋本病(甲状腺機能低下症)はいずれも比較的頻度の高い自己免疫疾患です。甲状腺ホルモンは心拍・体温・代謝を司るため、コントロール不良のまま手術に臨むと、術中頻脈や高体温、いわゆる「甲状腺クリーゼ」という致死的合併症のリスクが上昇します。

適応の最低条件は、FT3・FT4・TSHが基準範囲内で安定していることです。抗甲状腺薬や甲状腺ホルモン補充療法を継続中であっても、内分泌内科主治医から「手術可」の見解が得られれば、多くの場合は問題なく施術可能です。当院では甲状腺疾患をお持ちの方に、直近3ヶ月以内の甲状腺機能検査結果の提出をお願いしています。橋本病でホルモン補充療法中の方は、TSH値が安定していれば脂肪吸引そのものへの影響はほぼありません。

糖尿病がある方の脂肪吸引

糖尿病は創傷治癒遅延・感染リスク・末梢循環障害という三つの観点から、脂肪吸引・脂肪豊胸において特に慎重な適応判断が必要な疾患です。高血糖状態では白血球の貪食能が低下し、末梢血管障害により組織への酸素供給も不十分となるため、術後感染や脂肪壊死のリスクが上昇します。

目安として、HbA1cが7.0%以下でコントロールされていることを一つの基準としています。7.0%を超える場合は、内科主治医と連携して血糖コントロールを改善してから手術日を再設定します。1型糖尿病でインスリン療法中の方も、血糖の日内変動が安定していれば施術可能です。特に脂肪豊胸を希望される場合、糖尿病は移植脂肪の生着率を下げる大きな要因となるため、患者さんとリスクを共有した上で慎重に方針を決定します。

貧血がある方の脂肪吸引

脂肪吸引では、チュメセント液に含まれるアドレナリンで血管を収縮させ出血量を最小化しますが、それでも広範囲吸引では術後にヘモグロビン値が1〜2g/dL程度低下することがあります。もともと貧血がある方は、術後の強いだるさ・立ちくらみ・回復遅延のリスクが高まります。

目安として、女性のヘモグロビン値が11.0g/dL以上あれば施術可能と判断できます。それを下回る場合は、鉄剤・葉酸・ビタミンB12などによる治療で数値を改善してから手術に臨みます。特に月経量が多い方、婦人科疾患をお持ちの方は、術前に貧血の原因検索を行うことも重要です。焦って手術を進めるより、体調を整えてから受ける方が結果的な満足度は明らかに高くなります。

持病がある方が術前に準備すべき5つのこと

① 内科主治医の意見書または診療情報提供書を用意する

② 常用薬・サプリメント・ピルの一覧をカウンセリングに持参する

③ 直近3ヶ月以内の血液検査結果があれば提出する

④ 禁煙は手術1ヶ月前から徹底する(生着率と創傷治癒に直結)

⑤ タンパク質・鉄分中心の食事管理で体調を整える

これらの準備が整えば、多くの持病をお持ちの方でも安全に施術を受けていただけます。「持病があるから諦めよう」ではなく、まずは正確な情報を持って美容外科医に相談することが第一歩です。美容外科の安全基準については日本美容外科学会の公式サイトも参考になります。過去の詳しい解説記事は脂肪吸引の関連コラム一覧はこちらもあわせてご覧ください。

よくある質問

Q. 高血圧の薬を飲んでいますが、脂肪吸引は受けられますか?

降圧薬でコントロールされていれば、多くの場合、脂肪吸引の適応となります。ただし術当日の内服可否は薬剤の種類により異なりますので、必ず事前に医師と確認しましょう。血圧が安定していない場合は、まず内科での調整が優先されます。

Q. 甲状腺の手術を過去に受けています。脂肪吸引はできますか?

甲状腺機能が薬剤で安定していれば施術可能です。ホルモン補充療法中の方は、TSH・FT4の直近値を提出していただき、内分泌内科主治医の意見書があるとより安全に手術計画が立てられます。

Q. 糖尿病があると脂肪豊胸の生着率は下がりますか?

はい、末梢循環と創傷治癒能力の低下により、生着率は下がる傾向があります。HbA1c 7.0%以下のコントロールが望ましく、ケースによってはハイブリッド豊胸の選択肢も含めてご相談ください。

Q. 貧血気味ですが、術前に治せば脂肪吸引を受けられますか?

可能です。鉄剤治療で数値を改善してから手術日を設定します。手術延期を惜しまず、安全に体調を整えることが結果的な満足度を高めます。

Q. 内科の主治医に美容手術のことを話しにくいのですが、必ず必要ですか?

安全のために強く推奨します。主治医の意見書があると麻酔科医の判断材料が増え、術中管理の質が上がります。医療者には守秘義務がありますので、安心してご相談ください。

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【監修】森脇 進 / Shin Moriwaki(監修医師)

日本美容外科学会(JSAS)会員 / American Academy of Aesthetic Medicine 会員

米国医師免許資格(ECFMG certificate)

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📍AVAN TOKYO 銀座脂肪吸引クリニック

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