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肩SC脂肪吸引で二の腕と鎖骨ラインを整える|同時デザインの症例解説2026.09.06

「肩SC脂肪吸引」は、二の腕と組み合わせることで初めて意味を持つデザイン手技です。二の腕だけを細くしても、鎖骨の上や三角筋の上に脂肪の「厚み」が残っていると、後ろ姿・肩幅・首まわりのラインは寸胴に見えたままになります。当院で行った二の腕+肩SCの同時吸引の一例をもとに、なぜこの2部位を同時に扱う必要があるのか、デザインと術中判断のポイントを森脇医師が解説します。

この記事の要点

・肩SC脂肪吸引は鎖骨上〜三角筋上の浅層脂肪を薄くコントロールし、鎖骨と肩の「影」を出すためのデザイン手技です。

・二の腕単独では上半身の直線ラインは完成せず、肩SCを同時に扱うことで首・肩・腕が一続きの美しいラインに整います。

・吸引量は多いほどよいわけではなく、症例によっては200ml前後の少量吸引でも「鎖骨〜肩ライン」の印象は大きく変わります。

・傷跡は後ろ脇に2箇所へ集約でき、ノースリーブや水着でも目立ちにくい設計が可能です。

・術後は圧迫着(ボレロ型)を数週間装着し、拘縮期を経て3〜6ヶ月かけて完成に近づきます。

肩SC脂肪吸引とは:鎖骨上・三角筋上の「影」をつくる部位

「SC」は Supraclavicular(鎖骨上)の略で、当院では鎖骨のすぐ上から三角筋の付け根にかけての浅層脂肪帯を指しています。厚みそのものは数ミリ〜1cm程度と薄い部位ですが、この層に脂肪が「のっている」と、鎖骨が沈んで見え、首と肩の境目がぼやけ、結果として「首が短く・肩幅が広い」印象になります。肩SC脂肪吸引は、この浅層を薄くコントロールし、鎖骨と三角筋の上に自然な「影」を落とすためのデザイン手技です。単に脂肪の量を減らすためではなく、光と影で骨格の輪郭を浮かび上がらせるための手技として設計します。

なぜ二の腕吸引だけでは「上半身の直線ライン」が完成しないのか

二の腕は「三頭筋側(振袖部分)」「外側」「肩の付け根(三角筋直下)」を連続してデザインしないと、細くしても「段差」が残ります。特に肩の付け根から二の腕外側にかけては、脂肪の厚みがなだらかに変化する連続体で、境界を作らずに「面」で吸うのが原則です。したがって、二の腕を綺麗に細くしようとすると、必然的にその流れは肩SC(鎖骨上〜三角筋上)にまで及びます。ここを扱わないと、腕だけが細くなり肩まわりが厚いまま残るため、正面・後ろ姿ともに「寸胴」に見えるのです。

症例写真

症例概要:30代女性・二の腕と肩SCの同時吸引

今回の一例は30代女性で、二の腕と肩SCを同時に吸引しました。もともと大きな肥満体型ではなく、鎖骨まわりに脂肪の「のり」があり、ノースリーブや後ろ姿で首が短く肩幅が広く見えることを気にされていたケースです。両側合わせた吸引量は約200mlで、数値としてはごく少量です。目的は「体重を落とすこと」ではなく「鎖骨〜肩〜二の腕までの直線ライン」を作ることにあり、この部位においては量よりデザインが優先されます。麻酔は静脈麻酔と笑気を併用し、覚醒後の負担を最小限にとどめる方針としました。

デザインの根拠:後ろ姿・鎖骨ラインを「影」で立体化する

術前マーキングは必ず立位で行います。座位や仰臥位では脂肪が重力で流れて分布が変わり、実際に他人から見えるシルエットとズレるためです。この症例では、①鎖骨の上縁に沿ってV字ラインをマーキング、②三角筋の起始部(肩の丸み)を境界として肩SC〜二の腕外側を連続的にマーキング、③振袖部分(後内側)を最後に描く、という順で設計しました。デザインの目的は「取る」ことよりも、光と影で「鎖骨と肩の輪郭」を浮かび上がらせることです。鎖骨を出すためには鎖骨そのものを吸うのではなく、その上に乗っている「浅層脂肪の厚みを均一に薄くする」ことが本質です。

術中所見:カニューレの通し方と皮下層のコントロール

肩SCの浅層は皮膚が薄く、深部には鎖骨と大血管・腕神経叢が走ります。したがって、カニューレは鎖骨の直上の骨面と平行に、皮下浅層のみを扇状に通すことが原則です。深部方向への圧をかけないこと、細径カニューレ(2〜3mm台)を選ぶこと、そして「薄く均一に」引くことがこの部位の安全確保に直結します。二の腕側は振袖部分から外側、そして三角筋直下まで、層別(浅層と中間層)で吸引を行い、境界を残さないよう連続的に処理しました。カニューレの向きを一定方向に固定せず、複数方向から交差させて吸引することで、線状の「溝」が残るのを防ぎます。

症例写真

傷跡の設計:後ろ脇に集約する「見えない吸引孔」

この症例では、吸引孔は「後ろ脇の2箇所のみ」に集約しました。後ろ脇の吸引孔は、腕を下ろした自然な姿勢では体幹と腕に挟まれて外から見えず、ノースリーブや水着でも目立ちにくい位置です。1本のカニューレをここから通し、扇状に方向を変えることで、二の腕・肩SC・三角筋直下までを1〜2孔で処理できます。傷跡の数を減らすことは、色素沈着や瘢痕の総量を減らす意味でも重要で、体質的にケロイドや色素沈着が起こりやすい方には特に配慮すべき点です。

圧迫着(ボレロ型ガーメント)の役割と装着期間の考え方

術後は肩から二の腕全体を包む「ボレロ型」の圧迫着を装着します。圧迫の目的は、①皮下の死腔を閉じて漿液腫(seroma)を防ぐこと、②皮膚を吸引後の新しい皮下組織に沿って再接着させること、③浮腫と拘縮期の凹凸を均すこと、の3点です。装着期間は個人差がありますが、術後1〜3週間は日中終日、その後は夜間のみ数週間、というのが当院での一般的な目安です。締め付けが強すぎると皮膚炎や神経圧迫を起こすため、フィット感の調整と着用時間の指導は個別に行っています。

この症例の治療内容・費用・リスク

・行った治療:二の腕(振袖部・外側)+肩SC(鎖骨上・三角筋上)の脂肪吸引。麻酔は静脈麻酔と笑気の併用、圧迫着はボレロ型。

・費用:具体的な費用は料金ページをご確認ください。BMI・組み合わせ部位・使用デバイスによって変動します。最終的な金額はカウンセリングで確定します。

・主なリスク・副作用:内出血、腫れ、しびれ、圧痛、拘縮(術後1〜3ヶ月に硬さや凹凸を感じることがあります)、左右差、稀に感染・漿液腫・皮膚のたるみ・色素沈着、極めて稀に神経損傷など。

・効果には個人差があり、掲載写真はあくまで一例です。同じ手技を行っても、体質・皮膚の弾性・術後ケアの徹底度によって仕上がりは変わります。

術後経過とリスク・合併症について

術後1週間は腫れと内出血がピークで、2〜4週間で表面的な腫れは落ち着き始めます。1〜3ヶ月は「拘縮期」と呼ばれる硬さ・つっぱり感が出やすい時期で、この時期に無理な運動やマッサージを避け、丁寧に可動域を維持することが仕上がりを左右します。最終的な形として整うのは術後3〜6ヶ月です。稀ですが、感染、漿液腫(seroma)、局所の知覚低下、皮膚のたるみなどが起こる可能性があり、異常を感じたら早めに執刀医の診察を受けてください。美容外科の安全基準や合併症の考え方については日本美容外科学会の情報も参照できます。

より詳しい術式別の解説や他部位との組み合わせについては、脂肪吸引の関連コラム一覧もあわせてご覧ください。

よくある質問

Q. 肩SC脂肪吸引だけを単独で受けることはできますか?

可能な場合もありますが、多くのケースでは二の腕外側〜三角筋直下と連続的にデザインしたほうが、境界のない自然な仕上がりになります。カウンセリングで肩・二の腕・鎖骨まわりを立位で評価し、単独か複合かを判断します。

Q. 吸引量が200mlと少なく感じますが効果はありますか?

肩SCと鎖骨まわりは浅層の薄い脂肪帯で、数十mlの差が「鎖骨の見え方」「首の長さの印象」を大きく変えます。この部位は吸引量よりも「デザインの精度」が仕上がりを決めます。

Q. 傷跡はどのくらいで目立たなくなりますか?

後ろ脇の吸引孔は数mmの点状瘢痕で、多くの方は3〜6ヶ月かけて薄い白い点に成熟します。ケロイド体質や色素沈着しやすい肌質の方は個別のケアが必要です。

Q. 圧迫着(ボレロ)はいつまで着ますか?

術後1〜3週間は日中終日、その後は夜間のみ数週間、が一般的な目安です。皮膚のフィット感や拘縮の出方によって調整します。締め付けが強すぎると皮膚炎や神経圧迫の原因になるため、当院ではサイズと着用時間を個別に指導しています。

Q. 仕事復帰はいつからできますか?

デスクワーク中心であれば数日〜1週間程度で復帰される方が多いですが、腕を大きく動かす作業や上肢の重労働は2〜4週間程度控えるのが安全です。個人差があるため、経過を診ながら判断します。

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料金・症例写真・よくある質問は 二の腕の脂肪吸引の施術ページ をご覧ください。

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【監修】森脇 進 / Shin Moriwaki(監修医師)

日本美容外科学会(JSAS)会員 / American Academy of Aesthetic Medicine 会員

米国医師免許資格(ECFMG certificate)

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