秋の抜け毛と毛周期──季節性脱毛のメカニズムと幹細胞培養上清液という選択2026.06.14
「最近、シャンプー時に排水溝に溜まる抜け毛が増えた」「夏は気にならなかったのに、秋から急に枕やブラシに髪がつくようになった」──毎年9月から11月にかけて、こうした”季節性の抜け毛”に悩む方がAVAN TOKYOにも多く来院されます。秋の抜け毛は決して気のせいではなく、ヒトの毛周期と季節リズムが連動した生理現象です。しかし放置していい範囲を超えると、AGAやびまん性脱毛症の引き金になることもあるため、毛包の再生力という観点からの対策が重要になります。本記事では秋の抜け毛が起こるメカニズムと、幹細胞培養上清液を用いた頭皮再生医療の意義を医学的に整理します。
秋の抜け毛が起きる毛周期と季節リズム
毛髪は1本1本が独立した周期を持ち、成長期(2〜6年)・退行期(2〜3週間)・休止期(3〜4ヶ月)を繰り返しています。健康な頭皮では成長期の毛髪が約85〜90%を占めますが、この比率が季節によって微妙に変動することが知られています。
休止期毛の同期と「抜け毛のピーク」
ヒトの頭皮では、夏の終わりから初秋にかけて休止期へ移行する毛包の割合が増えるという報告があります。これは進化生物学的に、毛皮を持つ哺乳類が冬毛・夏毛の生え替わりを行うリズムが、ヒトにも痕跡として残っているためと考えられています。具体的には、6〜8月頃に休止期へ移行した毛包が、3〜4ヶ月後の9〜11月にかけて一斉に脱落するため、秋に抜け毛が増えるのです。
通常、1日に抜ける髪の本数は50〜100本程度とされますが、秋のピーク時期には150〜200本程度まで増える方もいます。これは生理現象の範囲内であり、新しい成長期毛が順調に育っていれば全体の毛量は維持されます。
紫外線ダメージの蓄積が抜け毛を加速する
しかし、抜け毛が「想定以上に多い」「毛が細くなった」と感じる場合、夏の間に蓄積した紫外線ダメージが背景にあります。UV-Aは頭皮の真皮層まで到達し、毛包周囲の毛細血管や毛包幹細胞ニッチに酸化ストレスを与えます。さらにUV-Bは表皮の角化異常を引き起こし、頭皮バリアを脆弱化させます。
夏に頭皮が日焼けで赤くなった経験のある方、海・プール・ゴルフなど屋外活動が多かった方は、毛包幹細胞のダメージが抜け毛として顕在化しやすい傾向があります。この時期の抜け毛は、いわば夏の延長戦と捉えるべき現象なのです。

放置してはいけない病的な秋の抜け毛のサイン
季節性の抜け毛は通常2〜3ヶ月で落ち着きますが、以下のサインが見られる場合はAGAやびまん性脱毛症が混在している可能性があり、医学的介入が必要です。
毛径の細毛化と分け目の変化
抜け毛の本数だけでなく、抜けた毛の質も観察してください。
・毛根が小さく、丸い膨らみがない(成長途中で抜けている)
・毛先に向かって細くなっている(ミニチュア化)
・分け目から地肌が透けて見えるようになった
・前頭部・頭頂部のボリュームが明らかに減った
これらは毛包幹細胞のミニチュア化が進行しているサインで、AGAやびまん性脱毛症の初期所見と一致します。AGA治療の指針については日本皮膚科学会のガイドラインも参照されていますが、早期介入ほど毛包の温存率が高いことが繰り返し示されています。
抜け毛が12月以降も止まらないケース
正常な季節性脱毛は11月下旬〜12月にピークアウトします。年明け以降も同じペースで抜け続ける、あるいは春になっても改善しない場合、季節要因とは別の根本原因(AGA・甲状腺機能異常・鉄欠乏・ストレス性脱毛など)が存在する可能性が高いと考えられます。
幹細胞培養上清液が秋の抜け毛にもたらす再生スイッチ
抜け毛対策の本質は、休止期に入ってしまった毛包をいかに早く成長期へ復帰させるかにあります。ここで効果を発揮するのが、AVAN TOKYOで採用している幹細胞培養上清液による頭皮再生医療です。
成長因子による毛周期のリセット
脂肪由来幹細胞の培養上清液には、VEGF(血管新生)・IGF-1(細胞増殖)・KGF(角化細胞増殖因子)・HGF(肝細胞増殖因子)など、毛包幹細胞の活性化に関わる成長因子が多数含まれています。これらは休止期に入った毛包バルジ領域の幹細胞に作用し、成長期への移行スイッチを押す役割を果たすと報告されています。
夏のダメージで毛周期のリズムが乱れた頭皮に対し、秋のうちに上清液を注入することで、本来の成長期主体の周期に戻すことが期待できます。これは「失った毛を生やす」というよりも「これから抜けるはずだった毛を温存する」予防的アプローチに近いと言えるでしょう。
Morpheus8との併用で深層まで届ける
頭皮は皮脂や角質層により薬剤の浸透が制限されやすい部位です。そこでAVAN TOKYOではMorpheus8(RFマイクロニードリング)を用いたドラッグデリバリーを組み合わせ、毛包幹細胞ニッチが存在する深さ2〜4mmまで上清液を確実に届けます。RFによる熱刺激は毛包周囲の血管新生も促進し、相乗的に発毛環境を整えます。
秋〜冬は「攻めの治療シーズン」
夏は紫外線・汗・皮脂で頭皮環境が不安定なため、施術後の管理が難しい時期です。逆に秋〜冬は皮脂分泌が落ち着き、頭皮の炎症リスクも低下するため、上清液治療のゴールデンシーズンとも言えます。秋の抜け毛が気になり始めた段階で介入を開始すると、翌春までに毛量と毛径の回復を実感しやすい傾向があります。
毛髪再生医療に関する詳細は毛髪再生医療コラム一覧からご覧いただけます。
まとめ:秋の抜け毛を「頭皮からのサイン」として捉える
秋の抜け毛は、ヒトに残された季節性の毛周期リズムによる生理現象であると同時に、夏のダメージと潜在的なAGAリスクを浮き彫りにする”頭皮からのサイン”でもあります。「いつものこと」と見過ごすのではなく、抜け毛の質・分け目の変化・本数のピーク時期を観察し、必要に応じて毛包再生のための医療介入を検討することが、将来の薄毛予防につながります。
AVAN TOKYOでは、幹細胞培養上清液とMorpheus8を組み合わせた頭皮再生医療を、患者さんお一人おひとりの毛包コンディションに合わせて設計しています。毛周期を整える最適なタイミングは、まさにこの秋から冬にかけての季節なのです。
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【監修】森脇 進 / Shin Moriwaki(監修医師)
日本美容外科学会(JSAS)会員 / American Academy of Aesthetic Medicine 会員
米国医師免許資格(ECFMG certificate)
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