ヘアカラー・パーマと薄毛──化学処理が毛包に与える影響と幹細胞培養上清液という選択2026.06.16
白髪染めやおしゃれ染め、パーマを定期的に繰り返している方の中には、髪のボリュームが少しずつ減ってきた、抜け毛が増えてきたと感じる方が少なくありません。実際、長年カラーリングやパーマを継続してきた頭皮には、目に見えにくい微小なダメージが累積しており、それが毛包の働きを徐々に弱らせることが分かっています。こうした化学処理による頭皮ダメージへの新しい選択肢として、近年注目されているのが幹細胞培養上清液による頭皮再生治療です。本コラムでは、カラーリング・パーマが薄毛に与える医学的な影響と、AVAN TOKYO(銀座)が提案する頭皮再生アプローチを医師の視点で解説します。
ヘアカラー・パーマが頭皮と毛包に与える本当の影響
ヘアカラーやパーマは、髪の色や形を化学的に変化させる施術です。
私たちが「髪に塗っている」と感じている薬剤は、実は髪だけでなくその下にある頭皮、そして毛包の入口にも確実に触れています。
継続的な化学曝露が、頭皮環境と毛包機能をどう変化させるのか——医学的に整理してみましょう。
酸化染料とアルカリ剤による頭皮バリアの破壊
一般的な永久染毛剤には、ジアミン系の酸化染料、過酸化水素水(オキシ)、そしてpHを上げるアルカリ剤(モノエタノールアミン、アンモニアなど)が含まれています。
これらは髪のキューティクルを開かせて内部に色素を入れる役割を担いますが、その作用は当然頭皮に対しても発生します。
頭皮の皮脂膜と角質層(バリア機能)が損なわれ、経表皮水分蒸散量(TEWL)が上昇し、頭皮は乾燥・微小炎症の起きやすい状態へと傾きます。
特に頭頂部や生え際は、施術時に薬剤が滞留しやすく、繰り返しの曝露でバリア機能が慢性的に低下していきます。
パーマ液が毛幹と毛包の入口にもたらす変化
一方、パーマで用いられるチオグリコール酸塩やシステイン系の薬剤は、毛髪のジスルフィド結合を切断して再結合させる強力な還元剤です。
毛幹に対しては形を変えるという目的どおりに作用しますが、頭皮側でも一部のタンパク質変性と微小な酸化ストレスを引き起こします。
さらに、施術直後の頭皮はpHが大きく揺さぶられた状態にあり、常在菌バランスが乱れやすくなります。
頭皮の常在菌叢が乱れると、マラセチアや黄色ブドウ球菌が一時的に優勢になり、フケ・かゆみ・微小炎症が起きやすくなることが報告されています。

化学処理を繰り返すと薄毛になりやすい医学的理由
1回1回のカラーやパーマで、すぐに薄毛になるわけではありません。
問題は「数年〜十数年単位の累積ダメージ」です。
ここでは、なぜ慢性的な化学曝露が薄毛リスクを上げるのか、医学的観点から整理します。
毛包幹細胞への酸化ストレスと慢性微小炎症
毛包の根元には、毛を生み出す主役である毛包幹細胞(バルジ領域の幹細胞)が存在します。
頭皮にバリア破壊と微小炎症が繰り返されると、TNF-αやIL-1βといった炎症性サイトカインが頭皮内で慢性的に分泌される状態、いわゆる「サイレント炎症」が形成されます。
このサイレント炎症は、毛包幹細胞の自己複製能を低下させ、毛周期の成長期を徐々に短縮させていきます。
結果として、髪は細く・短く・薄くなる方向へと変化します。
これはAGAの進行とよく似たメカニズムであり、化学処理は男性ホルモンとは別ルートで薄毛を加速させるリスクをもつと考えられています。
頭皮バリア破壊が引き起こす「やせ細る髪」
頭皮のバリア機能が低下すると、外部刺激(紫外線、空気汚染、シャンプー成分)に対する感受性が上がり、頭皮は常に低レベルの炎症状態に置かれます。
このような頭皮では、毛根周囲の毛細血管も収縮しやすく、毛母細胞への栄養供給が不安定になります。
栄養と酸素の供給が不安定になった毛包は、太く長い毛を維持できず、徐々に軟毛化(細い・短い毛が増える状態)へと移行します。
AGA治療の指針については日本皮膚科学会のガイドラインが参考になりますが、近年は「頭皮環境」自体の重要性が再評価されています。
カラー・パーマ世代の薄毛に対する幹細胞培養上清液という選択
カラーリング・パーマによる薄毛は、内服薬だけでは十分にカバーできないことが多くあります。
なぜなら、問題の本質が「男性ホルモン」ではなく、「頭皮バリアの慢性破壊」と「毛包幹細胞ニッチの劣化」にあるからです。
そこで近年、頭皮再生という観点から注目されているのが、幹細胞培養上清液による治療です。
サイトカイン・成長因子が毛包幹細胞のニッチを再構築する
幹細胞培養上清液には、VEGF、FGF、IGF-1、HGF、TGF-βなど、毛包の再生に深く関わるサイトカインと成長因子が高密度に含まれています。
これらは、毛乳頭細胞の活性化、毛細血管の新生、そして毛包幹細胞ニッチの再構築を促します。
さらに、上清液には抗炎症性のサイトカイン(IL-10など)やエクソソームも含まれており、頭皮の慢性微小炎症を鎮める方向にも働きます。
化学処理によって乱れた「炎症 × 酸化ストレス × ニッチ劣化」の悪循環に対し、複数の経路から同時に介入できることが、幹細胞培養上清液の大きな特徴です。
AVAN TOKYOにおける上清液 × Morpheus8の頭皮再生プロトコル
AVAN TOKYO 銀座では、カラー・パーマで疲弊した頭皮に対し、上清液を毛包レベルまで届けるためにMorpheus8(マイクロニードルRF)と組み合わせています。
極細のマイクロニードルでバリアを越え、RFエネルギーで毛包周囲の温度と血流を整えたところに、上清液をドラッグデリバリーすることで、塗布だけでは届きにくかった層に有効成分を到達させることができます。
治療は数週間〜数ヶ月の間隔で複数回行い、頭皮環境のリセットと、毛包幹細胞ニッチの再活性化を狙います。
当院ではカウンセリングの段階で、カラー・パーマ歴、シャンプー習慣、生活習慣を丁寧に伺ったうえで、その方に合った頻度と組み合わせを設計します。
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まとめ──「染める・かける」を諦めないために
カラーリングやパーマは、人生を豊かにするおしゃれであり、続けたい方は多いはずです。
大切なのは、化学処理が頭皮と毛包に何をしているかを正しく理解し、それに見合った頭皮ケアを並行して行うことです。
頭皮のバリア機能と毛包幹細胞ニッチを守るためには、自宅でのスカルプケアに加えて、医療レベルでの再生治療を取り入れる選択肢があります。
幹細胞培養上清液による頭皮再生は、化学処理によって疲弊した頭皮をリセットし、これからも美しい髪を維持していくための、医学的に根拠のあるアプローチです。
気になる方は、ぜひ専門医にご相談ください。
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【監修】森脇 進 / Shin Moriwaki(監修医師)
日本美容外科学会(JSAS)会員 / American Academy of Aesthetic Medicine 会員
米国医師免許資格(ECFMG certificate)
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