膝の痛み・炎症に対する注射治療2026.07.03
ヒアルロン酸・幹細胞培養上清液・SVF・脂肪幹細胞治療の違い

膝の痛みや炎症は、加齢、スポーツ、体重増加、過去のケガ、半月板や軟骨の変性など、さまざまな原因で起こります。
特に変形性膝関節症では、膝の軟骨や半月板、滑膜、骨、筋肉のバランスが崩れ、痛み・腫れ・こわばり・動きにくさが出ることがあります。
これまで膝の痛みに対する注射治療としては、ヒアルロン酸注射が広く行われてきました。
近年では、炎症を抑えることや組織修復環境を整えることを目的として、幹細胞培養上清液、SVF、脂肪幹細胞などの再生医療系治療も注目されています。
AVAN TOKYOでは、膝の痛みや炎症に対して、整形外科専門医が診察から治療方針の判断、注射治療まで一貫して対応しています。
日本国内だけでなく、海外から来院される患者様にも対応可能です。
膝の痛みは「軟骨だけ」が原因ではない
膝の痛みというと、「軟骨がすり減っているから痛い」と考えられがちです。
しかし、実際には膝の痛みは軟骨だけでなく、
● 滑膜の炎症
● 関節液の変化
● 半月板の変性
● 骨髄浮腫
● 筋力低下
● 膝のアライメント
● 体重負荷
● 生活習慣
● 過去の外傷
などが複雑に関係しています。
そのため、治療では「軟骨を増やす」ことだけを目的にするのではなく、痛みの原因、炎症の程度、関節の状態、日常生活の負担を総合的に評価することが重要です。
膝の注射治療の目的
膝への注射治療には、主に以下のような目的があります。
● 痛みを軽減する
● 炎症を抑える
● 関節の動きを滑らかにする
● 関節内の環境を整える
● 手術以外の選択肢として症状改善を目指す
● 運動療法や体重管理を続けやすくする
注射治療は、人工関節手術の代わりになるものではありません。
進行した変形性膝関節症では、最終的に手術が必要となる場合もあります。
一方で、手術を急ぐ段階ではない方、まだ保存療法で経過を見たい方、痛みや炎症を抑えながら日常生活を改善したい方にとって、注射治療は有効な選択肢となることがあります。
ヒアルロン酸注射とは
ヒアルロン酸は、もともと関節液に含まれる成分の一つです。
関節の潤滑性を高め、動きを滑らかにする働きがあります。
変形性膝関節症では、関節液の性質が変化し、滑りが悪くなったり、炎症が起こりやすくなったりします。
ヒアルロン酸注射は、関節内にヒアルロン酸を補うことで、膝の動きをサポートし、痛みの軽減を目指す治療です。
メリット
● 比較的歴史が長い治療
● 身体への負担が少ない
● 外来で短時間に行える
● ダウンタイムが少ない
● 軽度から中等度の膝痛で選択されることが多い
● 高齢の方にも行いやすい
デメリット
● 効果に個人差がある
● 進行した変形性膝関節症では効果が限定的なことがある
● 定期的な注射が必要になる場合がある
● 炎症が強い場合、単独では十分でないことがある
● 根本的に軟骨を再生させる治療ではない
向いている方
● 軽度から中等度の膝痛がある方
● まずは負担の少ない治療から始めたい方
● 手術までは考えていない方
● 運動療法や生活改善と併用したい方
幹細胞培養上清液とは
幹細胞培養上清液とは、幹細胞を培養した際に得られる上清液を利用する治療です。
生きた幹細胞そのものを注入する治療ではなく、幹細胞が分泌する成長因子、サイトカイン、細胞外小胞などの成分を利用し、炎症や組織修復環境に働きかけることを目的とします。
膝の痛みや炎症に対しては、関節内の炎症を抑え、組織の修復環境を整えることを期待して使用されることがあります。
メリット
● 脂肪採取などの外科的処置が不要
● 注射のみで行える
● 比較的短時間で治療できる
● 膝以外の再生医療領域でも応用が検討されている
● 炎症を抑える目的で使用しやすい
デメリット
● 生きた幹細胞を注入する治療ではない
● 効果には個人差がある
● 進行した関節変形では限界がある
● 製剤の品質管理が重要
● 長期的なデータはまだ発展段階
向いている方
● 膝の炎症や痛みが気になる方
● 脂肪採取までは希望しない方
● 比較的負担の少ない再生医療系治療を希望する方
● ヒアルロン酸以外の選択肢を検討したい方
SVFとは
SVFとは、Stromal Vascular Fractionの略で、日本語では「間質血管細胞群」と呼ばれます。
脂肪組織から得られる細胞群で、脂肪由来幹細胞だけでなく、血管内皮細胞、周皮細胞、免疫系細胞など、複数の細胞が含まれています。
SVFは、単一の幹細胞ではなく、脂肪組織由来のさまざまな細胞が含まれる「細胞群」として考えられています。
膝関節においては、炎症環境を整え、関節内の修復反応をサポートする目的で使用されることがあります。
メリット
● 自分の脂肪組織を利用する
● 複数の細胞成分を含む
● 炎症の調整や組織修復環境の改善が期待される
● 脂肪由来の再生医療として注目されている
● 膝の痛みや機能改善を目的に選択されることがある
デメリット
● 脂肪採取が必要
● ヒアルロン酸注射より身体への負担が大きい
● 治療費が高くなることがある
● 効果に個人差がある
● 進行した関節破壊では限界がある
● 法規制や施設基準に沿った管理が必要
向いている方
● ヒアルロン酸注射で十分な満足が得られなかった方
● 膝の炎症や痛みをより積極的に改善したい方
● 手術以外の再生医療系治療を検討している方
● 自分の脂肪組織を利用した治療を希望する方
脂肪幹細胞治療とは
脂肪幹細胞治療は、脂肪組織から得られる脂肪由来幹細胞を利用する治療です。
脂肪由来幹細胞は、炎症を調整する作用や、周囲の組織修復をサポートする作用が期待されています。
膝関節においては、痛みや炎症、機能改善を目的として研究・臨床応用が進められている分野です。
メリット
● 自分の脂肪由来細胞を利用する
● 抗炎症作用や組織修復環境への作用が期待される
● ヒアルロン酸より積極的な再生医療系治療として検討される
● 軽度から中等度の変形性膝関節症で選択肢となることがある
デメリット
● 脂肪採取が必要
● 治療設計が複雑
● 費用が高額になることがある
● 効果には個人差がある
● すべての膝痛に適応できるわけではない
● 長期成績や最適な投与方法はまだ研究が進んでいる段階
向いている方
● 保存療法と手術の間の選択肢を探している方
● 再生医療に関心がある方
● 膝の痛みを抑えながら活動性を維持したい方
● 軽度から中等度の変形性膝関節症の方
各治療の比較
ヒアルロン酸注射
負担が少なく、外来で受けやすい治療です。
まず始めやすい一方で、進行した変形性膝関節症や強い炎症では効果が限定的なことがあります。
幹細胞培養上清液
脂肪採取をせずに行える再生医療系治療です。
炎症を抑え、関節内環境を整える目的で使用されます。
生きた幹細胞を注入する治療ではないため、比較的受けやすい一方で、効果や持続期間には個人差があります。
SVF
脂肪由来の複数の細胞群を利用する治療です。
炎症や組織修復環境にアプローチすることを目的とします。
脂肪採取が必要で、治療の負担や費用はヒアルロン酸より大きくなります。
脂肪幹細胞治療
脂肪由来幹細胞を利用する再生医療系治療です。
膝の痛みや炎症に対する新しい選択肢として注目されています。
一方で、適応判断、細胞処理、治療計画、法的管理が重要になります。
どの治療が一番良いのか
膝の治療において、「全員に一番良い治療」はありません。
大切なのは、膝の状態に合わせて治療を選ぶことです。
同じ膝の痛みでも、
● 軽度の変形性膝関節症
● 中等度の変形性膝関節症
● 高度な関節変形
● 半月板損傷が主体
● 滑膜炎が強い
● 水がたまりやすい
● スポーツ復帰を目指している
● 人工関節手術を避けたい
● 海外から短期滞在で治療を受けたい
など、背景は患者様ごとに異なります。
そのため、画像検査、診察所見、生活背景、希望、滞在期間を踏まえて、治療方針を決定することが重要です。
AVAN TOKYOでは整形外科専門医が対応します
膝関節の治療では、関節の構造、軟骨、半月板、靭帯、筋肉、アライメントを理解したうえで診断することが重要です。
AVAN TOKYOでは、膝の痛み・炎症に対する注射治療を、整形外科専門医がすべて対応しています。
整形外科専門医が、
● 症状の確認
● 既往歴の確認
● 画像所見の確認
● 膝の診察
● 治療適応の判断
● 注射治療
● 術後・治療後フォロー
まで一貫して行います。
再生医療系治療は、単に「注射すればよい」というものではありません。
本当に適応があるのか、どの治療が合っているのか、手術を検討すべき段階ではないのかを判断することが非常に重要です。
世界中から来院可能です
AVAN TOKYOでは、日本国内だけでなく、海外からの患者様にも対応しています。
海外から来院される方には、事前にオンラインで相談を行い、症状、画像検査、既往歴、希望する治療、滞在期間を確認したうえで、来日後の治療スケジュールを調整します。
対応可能な内容には、
● オンラインカウンセリング
● 英語でのご案内
● 必要に応じた多言語サポート
● 来日前の画像確認
● 来日中の治療計画
● 治療後のフォロー
などがあります。
短期滞在で治療を希望される場合も、事前準備を行うことで、できる限りスムーズに治療を受けていただけるようサポートします。
治療の流れ
- カウンセリング
膝の痛みの部位、いつから痛いのか、腫れや水がたまるか、歩行時痛、階段での痛み、スポーツ歴、過去のケガなどを確認します。 - 画像検査の確認
レントゲンやMRIなどの画像がある場合は確認します。
海外から来院される方は、事前に画像データをご共有いただくことで、来日前に治療方針を検討しやすくなります。 - 整形外科専門医による診察
膝の可動域、腫れ、圧痛部位、靭帯、半月板、筋力、歩行状態などを確認します。 - 治療選択
ヒアルロン酸、幹細胞培養上清液、SVF、脂肪幹細胞治療などから、患者様の状態に合わせた治療をご提案します。
必要に応じて、リハビリ、体重管理、筋力トレーニング、手術の検討も含めて説明します。 - 注射治療
関節内へ正確に薬剤を投与します。
必要に応じて、超音波を使用して安全性と正確性に配慮しながら注射を行います。 - 治療後フォロー
痛み、腫れ、可動域、生活のしやすさを確認しながら、必要なケアをご案内します。
ダウンタイムと注意点
治療後のダウンタイムは、治療内容によって異なります。
ヒアルロン酸注射
比較的ダウンタイムは少なく、当日から歩行可能なことが多いです。
ただし、当日の激しい運動や長時間の歩行は控えることをおすすめします。
幹細胞培養上清液
注射後に一時的な痛み、違和感、腫れが出ることがあります。
数日程度は膝に強い負担をかけないようにします。
SVF・脂肪幹細胞治療
脂肪採取を伴う場合、膝だけでなく脂肪採取部位にもダウンタイムがあります。
脂肪採取部位の痛み、腫れ、内出血、硬さが出ることがあります。
治療後しばらくは激しい運動を避け、医師の指示に従って生活します。
リスク・副作用
膝の注射治療には、以下のようなリスクがあります。
● 注射時の痛み
● 一時的な腫れ
● 熱感
● 内出血
● 感染
● 関節内出血
● アレルギー反応
● 痛みの一時的な悪化
● 効果が乏しい可能性
● 症状の再発
● 脂肪採取部位の痛み
● 脂肪採取部位の腫れ
● 脂肪採取部位の内出血
● しびれ
● 傷跡
● 血腫
● 漿液腫
特に再生医療系治療では、治療効果に個人差があり、すべての方に同じ結果が得られるわけではありません。
進行した変形性膝関節症では、注射治療では十分な改善が得られず、人工関節などの外科的治療が必要になる場合もあります。
まとめ
膝の痛みや炎症に対する治療には、ヒアルロン酸注射、幹細胞培養上清液、SVF、脂肪幹細胞治療など、さまざまな選択肢があります。
それぞれにメリット・デメリットがあり、適応も異なります。
大切なのは、流行している治療を選ぶことではなく、自分の膝の状態に合った治療を選ぶことです。
AVAN TOKYOでは、整形外科専門医がすべての膝治療に対応し、診察、画像評価、治療方針の判断、注射治療、フォローまで一貫して行います。
日本国内の患者様はもちろん、世界中から来院される患者様にも対応可能です。
膝の痛みを少しでも軽減し、日常生活や運動を続けやすくするために、患者様一人ひとりに合わせた治療をご提案します。
※このコラムは医学教育目的で作成しています。効果や経過には個人差があります。再生医療系治療は自由診療となる場合があります。