コラム

顔のHIFUと頭皮のRF治療は同じ日に受けてよい?間隔設計と毛包への熱負荷2026.07.27

「顔のHIFUを受けた翌週、頭皮のMorpheus8(RF)を予約しているが本当に大丈夫か」──AVAN TOKYO 銀座には、顔と頭皮の両方に熱エネルギーを使う施術を並行して検討する患者さんからの相談が少なくない。頭皮RFと顔HIFUの併用は、狙う層も熱の入り方も違うものの、体としては「短期間に強い熱刺激を受ける」ことに変わりない。安易に「別部位だから同時にできる」と考えると、思わぬダウンタイムの重複や毛包への熱負荷を招きかねない。本稿では、頭皮RFと顔HIFUの併用を検討する際にどのくらい間隔を空けるべきか、毛包にどんな影響が想定されるか、そして安全に組み合わせるための考え方を、AVAN TOKYO銀座で再生医療を担当する森脇医師の視点で整理する。

この記事の要点

・頭皮RFと顔HIFUの併用は「別部位」であっても生体反応は連動し、直後の同日施術は原則避ける

・顔HIFUはSMASや皮下脂肪層に、頭皮RFは真皮〜浅い脂肪層に熱を届ける──狙う層は違うが、両方とも「熱による組織リモデリング」を促す点で重なる

・毛包幹細胞はバルジ領域という熱に弱いゾーンにあり、過剰な連続熱刺激は毛周期の乱れや一過性シェディングを招くリスクがある

・間隔の目安は最低2〜4週間、強度や体調によっては6週間以上あける判断もある

・同日施術を提案されたら麻酔・浮腫・ダウンタイムの重複を必ず事前に確認する

facial HIFU scalp RF Morpheus8 combination timing

そもそも顔HIFUと頭皮RFは何が違うのか

顔HIFUが狙う層

HIFU(高密度焦点式超音波)は、超音波エネルギーを一点に収束させ、皮下1.5mm・3.0mm・4.5mmといった設定した深さに「点状の熱凝固点」を作る。特に4.5mmはSMAS層(表在性筋膜)を狙い、リフトアップ効果を意図した設計である。表皮を焼かずに真皮深層〜筋膜まで届くためダウンタイムは比較的少ない一方、深部組織にはしっかりと熱が入る。

頭皮RFが狙う層

一方、頭皮に用いるMorpheus8などのマイクロニードルRFは、微細な針を通じて真皮〜浅い皮下脂肪層に高周波を通電し、コラーゲン再構築と創傷治癒カスケードを促す。狙いは頭皮の線維化解除・毛包周囲の微小環境の再設計であり、幹細胞培養上清液のドラッグデリバリー経路としても活用される。

熱の届き方は違っても「生体反応」は重なる

物理的には両者は異なる装置・異なる深さ・異なる部位に熱を入れる。しかし体としては、いずれも「炎症カスケードの初期反応」を局所〜全身レベルで惹起する。TNF-α、IL-6などの炎症性サイトカインは局所で上昇し、循環に乗って全身に波及しうる。短期間に複数の熱施術を重ねると、この炎症応答が累積してしまう点は無視できない。

頭皮RFと顔HIFUの併用で見逃されがちな毛包リスク

毛包の幹細胞は、毛包上部の「バルジ領域」に存在する。この領域は熱に対して比較的脆弱で、42〜45°Cを超える持続的な熱刺激で機能低下を起こすことが基礎研究で示唆されている。頭皮RFは装置設定によって毛包への熱波及を最小化する設計だが、施術強度・打点密度・患者の頭皮厚によっては、毛包周囲の温度上昇が想定以上になることがある。

このタイミングで顔HIFUによる炎症応答が上乗せされると、毛周期の同期化が乱れ、施術1〜2か月後に一過性のシェディング(初期脱毛様の抜け毛増加)を招くことがある。これは「熱そのもので毛が抜ける」というより、「炎症環境が毛包の休止期移行を早める」現象と理解される。もともとAGAが進行中の方では、この一過性変化が「悪化した」と体感されやすい点にも配慮が必要である。

頭皮RFと顔HIFUの併用における間隔設計の実際

最低2〜4週間の間隔が目安

森脇医師の臨床経験では、頭皮RFと顔HIFUの併用を組む場合、両者の間は最低2週間、できれば4週間空けることを推奨している。この期間で局所の炎症応答は概ね収まり、毛包の熱ストレスも回復に向かう。強度の高い顔HIFU(例:4.5mm+3.0mm併用)と、密度の高い頭皮RFを重ねる場合は6週間以上空ける方が安全域が広い。

順序は「顔→頭皮」か「頭皮→顔」か

どちらを先にすべきかは患者さんの目的による。毛髪治療が主訴の場合は、頭皮RF+幹細胞培養上清液を先行し、毛周期の1サイクル(3〜4か月)を見てから顔施術を検討する。顔のリフトアップが主訴の場合は、顔HIFUを先行させ、腫れが引く2〜4週後に頭皮RFを開始する。「同時にやれば効果も倍増」という科学的根拠はなく、それぞれの反応を独立して評価できるよう期間を分ける方が、経過観察の精度も上がる。

体調・免疫状態のチェックを忘れない

発熱・強い疲労・ワクチン接種後1〜2週間は、いずれの施術も延期を検討する。免疫応答が活発なタイミングでの熱施術は、炎症の遷延化や色素沈着リスクを高めうる。抗凝固薬・抗血小板薬を服用中の方は、内出血の重なりに配慮した施術計画が必要になる。

同日施術を提案されたときに確認したいこと

医療機関によっては「同日でも問題ない」と案内されることがある。それを一律に否定はしないが、以下は必ず確認したい。

・麻酔量の合計は安全域に収まるか(表面麻酔・ブロックの重複)

・浮腫・内出血が顔と頭皮に同時に出た場合の生活・仕事への影響

・翌日以降のダウンタイム管理(洗髪の可否・スキンケア・冷却)

・体感疼痛の総量と、患者側の耐性

同日施術には「効率」というメリットがある一方で、体への負担は明らかに増える。急ぎでなければ日を分ける判断が、長期的な満足度につながることが多い。毛髪再生医療の関連コラム一覧はこちらから確認できる。頭皮領域や皮膚の治療設計については、日本皮膚科学会のガイドラインなど公的情報も併せて参照するとよい。

よくある質問

Q. 顔HIFUの当日に頭皮のマイクロニードルRFは受けられますか

顔HIFU直後は皮下組織の炎症反応が最も高い時期で、頭皮側にRFやニードリングを追加することは推奨されません。局所〜全身の炎症応答が重なり、翌日以降の腫れ・発赤・疲労感が強く出やすくなります。最低でも1〜2週間、できれば4週間は空けることを推奨しています。

Q. 頭皮RFと顔HIFUの併用でシェディング(一時的な抜け毛増加)は起こりますか

必ず起こるわけではありませんが、報告例はあります。原因は熱そのものというより、施術後の炎症応答による毛周期の同期化と考えられます。多くは2〜3か月で自然に回復しますが、進行中のAGAがある場合は事前に医師へ相談してください。

Q. 内服治療(フィナステリド・ミノキシジル)中でも頭皮RFと顔HIFUの併用は可能ですか

内服自体は熱施術の禁忌ではありません。ただしミノキシジル内服中は末梢血管が拡張しており、内出血リスクがわずかに上がります。抗凝固薬・抗血小板薬を服用している場合も、施術前に必ず申告してください。

Q. 顔HIFUと頭皮RFはどちらから始めるべきですか

毛髪の悩みが主訴なら頭皮RF+幹細胞培養上清液を先行し、3〜4か月経過を見てから顔HIFUを検討します。顔のたるみが主訴なら順序は逆で構いません。同時進行より、優先順位を明確にする方が満足度が高まる傾向があります。

Q. 併用中はどのくらいの頻度で通院しますか

標準的には頭皮RFが4〜6週間隔、顔HIFUが3〜6か月間隔です。両者の予約が重ならないよう、初回カウンセリング時に年間スケジュールを立てておくと通院負担が軽減されます。

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【監修】森脇 進 / Shin Moriwaki(監修医師)

日本美容外科学会(JSAS)会員 / American Academy of Aesthetic Medicine 会員

ECFMG Certificate 取得

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