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二の腕脂肪吸引と糸リフトの同時併用|皮膚ゆるみを補う設計を医師が解説2026.10.21

40代に入ると、二の腕の太さだけでなく、腕を上げたときの振袖部分の「ゆるみ」や皮膚のハリ低下も同時に気になりはじめます。今回ご紹介するのは、40代女性に対して二の腕全周と脇肉・副乳の脂肪吸引を行い、あわせて二の腕に糸リフトを12本挿入した症例です。本記事では、二の腕脂肪吸引糸リフト併用という選択を行った医学的な理由、挿入デザイン、そして術後1年半の経過について監修医の立場から解説します。

この記事の要点

・二の腕脂肪吸引糸リフト併用は、脂肪のボリュームと皮膚のゆるみを同時に整えるための設計である

・40代は皮膚のハリが徐々に低下する年代で、吸引単独では振袖部分のたるみが残りやすい

・二の腕全周に加え脇肉・副乳まで連続して吸引することで、肩〜脇〜腕のラインがつながって見える

・糸リフトはコグ付き吸収糸を皮下に挿入し、皮膚を引き上げる方向にサポートを加える

・経過には個人差があり、吸引量や糸の本数は体型と皮膚の状態に応じて設計する

症例概要|二の腕全周脂肪吸引と糸リフト12本の同時併用

今回の症例は40代女性です。二の腕の太さと、腕を上げたときの振袖のゆるみ、脇まわり(脇肉・副乳)のもたつきが気になるというご相談から、二の腕全周(振袖・肩・前側)と脇肉・副乳の脂肪吸引を行い、二の腕に糸リフトを12本挿入しました。写真は腕を横に上げた後ろ姿の術前と術後1年半の状態です。術前は腕を上げると二の腕の裏側から脇にかけて厚みがあり、振袖部分が下に垂れるように見える状態でした。術後1年半の写真では、二の腕の裏側のラインがすっきりとし、肘から脇にかけての輪郭がまっすぐに近づいて、腕全体が細く見えるようになっています。

症例写真

この症例の治療内容・費用・リスク

行った治療:二の腕全周脂肪吸引、脇肉脂肪吸引、副乳脂肪吸引、脇のシェービング、二の腕糸リフト12本挿入。麻酔は全身麻酔(静脈麻酔+吸入麻酔)で行い、必要に応じて超音波機器(エルサ/LSSA)を併用します。吸引量は675ml、チュメセント麻酔液は合計1,000mlを使用しました。

費用:費用は料金ページをご確認ください。

主なリスク・副作用:内出血、腫れ、拘縮(硬さ・つっぱり感)、左右差、感染、知覚鈍麻、傷跡、糸リフトではエクボ状の凹み・つっぱり感・吸収過程での違和感・糸の露出などが起こり得ます。

効果には個人差があります:掲載している写真は一例であり、仕上がりや回復までの期間は体型・皮膚の状態・年齢によって異なります。

症例写真

なぜ脂肪吸引だけでは「振袖のゆるみ」が残るのか

二の腕の皮膚は、顔やデコルテに次いで比較的薄い部位です。皮下脂肪を吸引して量を減らすと、脂肪が担っていた「容積」が減るため、皮膚側は余った状態になります。皮膚そのものの弾性(コラーゲン・エラスチン線維の張力)が十分であれば、時間とともに皮膚が収縮して新しいラインに馴染みますが、40代以降は真皮内の線維成分が徐々に減少するため、収縮の勢いが若い世代ほど強くはありません。その結果、脂肪吸引単独では「量は減ったが、腕を上げたときに皮膚が波打つ」「振袖部分の下側がゆるんで見える」といった状態が残ることがあります。この皮膚のゆるみを補う一つの選択肢が、糸リフトの同時併用です。

症例写真

二の腕脂肪吸引糸リフト併用を選ぶ3つの医学的理由

1. 皮膚収縮を物理的に補助する

糸リフトはコグ(棘)付きの吸収糸を皮下に挿入し、皮膚を目的の方向に引き寄せる術式です。脂肪吸引で生じた皮膚のたるみに対し、物理的な引き上げの力をかけることで、拘縮期の皮膚収縮を補助します。吸引だけでは追いつかない「余り皮膚」を、糸の支持力でまとめ上げるイメージです。

症例写真

2. 皮下組織のコラーゲン新生を誘導する

糸の素材(PDO・PLLA・PCLなど吸収性ポリマー)が皮下で分解される過程で、周囲組織に穏やかな線維化反応が起こり、コラーゲンの新生が促されます。これにより、糸が吸収されたあとも皮下の支持組織が厚くなり、肌にハリが戻る方向に働きます。この二段階(挿入直後の物理的支持と、吸収後のコラーゲン効果)が、脂肪吸引で生じた皮膚のゆるみに重なるタイミングで働くよう設計します。

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3. 同日施術でダウンタイムをまとめる

脂肪吸引と糸リフトを別日に行うと、麻酔・圧迫・休養期間が2回必要になります。同日に併用することで、ダウンタイムをひとつの期間にまとめることができ、さらに「脂肪吸引直後の拘縮期」と「糸リフトの支持力が最大の時期」を重ねることで、皮膚収縮と糸の引き上げが同時に働く設計になります。別々に行うより、相乗効果を狙いやすいのが同日併用のメリットです。

症例写真

糸リフト12本の挿入デザイン

本症例では、二の腕に合計12本の糸を挿入しました。糸リフトの本数は「多ければ多いほど良い」というものではなく、皮膚のゆるみの程度、腕の長さや周径、そして吸引量とのバランスで決めます。本症例では、振袖部分の下側のゆるみを引き上げる方向と、腕の長軸に沿って皮膚全体を縦方向に支える方向の2軸を意識し、本数と角度を決めました。糸の挿入位置は脇から肘にかけての皮膚の自然な張力線に沿わせ、腕を動かしたときにつっぱり感や違和感が出にくい方向を選びます。本数を増やしすぎると糸同士が干渉し、エクボ状の凹みや段差の原因になるため、必要最小限で最大の支持を得られる配置を優先します。

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術後1年半の経過|皮膚収縮と糸リフトの相乗効果

二の腕脂肪吸引後の皮膚収縮は、一般的に術後3ヶ月前後で最も強く、6ヶ月〜1年にかけて徐々に落ち着いていきます。糸リフトの物理的な支持力は、糸自体が吸収されるまでの期間(素材によって6ヶ月〜2年程度)持続し、その過程で誘導されたコラーゲン新生が糸の役割を引き継ぎます。術後1年半という時期は、脂肪吸引側の拘縮・むくみがほぼ落ち着き、糸リフトによる組織リモデリングが完成に近づく時期です。本症例でも、二の腕の裏側のラインがなめらかにつながり、腕を上げたときの振袖の落ち込みが軽減しました。経過には個人差があるため、どの時期にどの程度の変化が出るかは一律には言えませんが、「吸引後の変化」と「糸リフト後の変化」が別々ではなく、ひとつの流れとして進むように設計することが大切です。

症例写真

二の腕脂肪吸引糸リフト併用の適応と限界

二の腕脂肪吸引糸リフト併用が向いているのは、「脂肪のボリュームも皮膚のゆるみも両方気になる方」です。皮膚のたるみが軽〜中等度で、腕を下ろしているときにはそれほど目立たないが、腕を上げたり前に出したりすると振袖部分が落ち込んで見える、という段階の方は良い適応になります。一方で、皮膚のたるみが強く、腕を下ろした状態でも皮膚がダブついて見える、肘近くまで余剰皮膚が垂れる、といった高度のたるみに対しては、糸リフトだけでは十分に引き上げきれないことがあります。その場合は切開による皮膚切除(二の腕切開リフト)の検討が必要になります。適応判断は、皮膚の厚みと弾性、脂肪の量、年齢、生活背景などを総合的に見て決めます。美容外科の安全基準については日本美容外科学会の情報も参照してください。

症例写真

術後の圧迫着と拘縮ケア

術後は二の腕用の圧迫着(ボレロ)を一定期間着用いただきます。圧迫着は、むくみや内出血を抑え、吸引後に生まれた皮下の空間に皮膚を均一になじませるために大切な医療行為の一部です。糸リフトを併用した場合でも、糸の方向と圧迫着の圧がぶつからないよう、サイズと装着時間を細かく指示します。拘縮期(術後1〜3ヶ月)には皮膚が硬く感じる時期がありますが、リンパマッサージや軽い運動を少しずつ再開することで徐々に落ち着いていきます。糸挿入部位にはつっぱり感が出ることがあるため、無理な可動域の運動は術後2〜3週間控えていただきます。詳しくは脂肪吸引の関連コラム一覧もあわせてご覧ください。

症例写真

よくある質問

Q. 二の腕脂肪吸引糸リフト併用はどのような人に向いていますか?

二の腕の太さに加えて、腕を上げたときの振袖のゆるみや皮膚のハリ低下が気になる方に向いています。皮膚のたるみが軽〜中等度で、切開を伴うリフトまでは必要ないと判断される方が良い適応です。皮膚のたるみが強い場合は切開リフトの検討が必要になるため、カウンセリングで皮膚の厚みと弾性を実際に確認したうえで判断します。

Q. 糸リフトの効果はどのくらいもちますか?

糸自体は素材に応じて半年から2年程度で体内に吸収されますが、糸の分解過程で誘導されるコラーゲン新生による皮下組織の変化は、それより長く続くと考えられています。ただし加齢による皮膚の変化は進んでいくため、効果の実感期間には個人差があり、「何年もつ」と一律に断定はできません。

Q. ダウンタイムは脂肪吸引単独と比べて長くなりますか?

糸リフトを併用しても、脂肪吸引単独の場合と比べてダウンタイム全体が大幅に伸びることは多くありません。ただし糸の挿入部位にはつっぱり感や軽い違和感が1〜2週間程度続くことがあり、その間は腕を強く後ろへ回す動作などを避けていただきます。

Q. 吸引量は多ければ多いほど仕上がりが良くなりますか?

いいえ。吸引量の多寡だけで仕上がりは決まりません。皮膚の厚みに合わせて浅い層を取りすぎないこと、残す脂肪層のバランスをとることが凹凸やたるみ予防につながります。本症例では675mlを吸引しましたが、この数字は「結果」であって「目標」ではありません。

Q. 糸リフトだけで二の腕のたるみは改善しますか?

脂肪の量が多く残ったまま糸リフトだけを行うと、重さに引っ張られて糸の効果が出にくくなります。皮下脂肪のボリュームが多い方では、脂肪吸引で量を減らしてから、または同日に糸リフトを併用する方が、支持力を発揮しやすい設計になります。カウンセリングで吸引単独・糸リフト単独・併用のそれぞれの適否をご説明します。

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料金・症例写真・よくある質問は 二の腕の脂肪吸引の施術ページ をご覧ください。

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【監修】森脇 進 / Shin Moriwaki(監修医師)

日本美容外科学会(JSAS)会員 / American Academy of Aesthetic Medicine 会員

ECFMG Certificate 取得

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